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ベルリン最高賞「アダマン号に乗って」監督インタビュー「精神医療の在り方にとっても良い受賞だった」

2023年4月29日 08:00

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ニコラ・フィリベール監督
ニコラ・フィリベール監督
(C)Jean-Michel Sicot

今年2月に開催された第73回ベルリン国際映画祭コンペティション部門で最高賞の金熊賞を受賞した、フランスのニコラ・フィリベール監督による日仏共同製作のドキュメンタリー、「アダマン号に乗って」が公開となった。

精神疾患のある人々を無料で迎え入れ、様々な文化活動を通じて社会と再びつながりを持てるようサポートしているパリのセーヌ川に浮かぶデイケアセンターの船「アダマン号」の利用者、スタッフを優しい眼差しで映し出す。フィリベール監督がオンラインインタビューに応じた。

画像2(C)TS Productions, France 3 Cinema, Longride 2022
――どのような経緯で今回アダマン号を題材にし、撮影を進めたのですか?

以前からアダマンという場所は知っており、7、8年前くらいに招待されました。様々なアトリエがあり、どの様な方針で活動しているかも知ってましたので、アダマンに行ってから何か新しい発見をするといったことはありませんでした。しかし、撮影を始めてからは、誰が映ってくれるのか、どんな話をしてくれるのかは全くわからなったので、その点において手探りで時間をかけて進めていきました。

画像3(C)TS Productions, France 3 Cinema, Longride 2022
――アダマン号での自主性を重んじる文化的活動を通して、患者たちは表現することで自己肯定感を高め、存在意義を認められるようになる姿に胸を打たれます。しかし、彼らはどの様な経緯でここに通うことになったのでしょうか?

パリ1~4区に住んでいて、精神科医や心理学医の推薦により通っている方々です。アダマンには絵画、音楽、読書、ライティング、裁縫、料理、会話で交流する場など、様々なアクティビティが用意されています。こういったアトリエは、他の精神医学に関する場所でも実施されていますが、アダマンの特殊性は場所です。川に浮いた船のような美しい場所、それも人間的な活動を後押しする一助になっていると思います。

画像4(C)TS Productions, France 3 Cinema, Longride 2022
――薬が無ければ症状をコントロールするのが難しい…と吐露する方もいます。患者さんにカメラを向ける際、どのような気遣いをされましたか? また映画の出演者はどんな基準で選んだのでしょうか

時間をかけて信頼関係を作り、プロジェクトの説明にも時間をかけました。精神疾患のある患者さんは危険で暴力的だと思われがちですが、そういった考え方も変えたいと説明しました。

出演者を決めることは困難ではなかったです。たくさんの人がアダマンにおり、いろんなことを患者さんとスタッフとが一緒に決めていく。そういう集団活動であることを見せ、かつひとりひとりの存在が浮き彫りにされるように、そして映画を見た人も自分を重ねられることが大切でした。

1時間40分ほどの映画ですがラッシュは100時間。編集に時間がかかりました。いくつもの素晴らしいシークエンスをあきらめなくてはならなかったのが監督としても苦しく、出てくださった方にも申し訳なかったです。

画像5(C)TS Productions, France 3 Cinema, Longride 2022
――今回、ベルリンで最高賞を受けての「アダマン号」での反応を教えてください。施設に変化はありましたか?

本当にみんなが幸せになりました。受賞をとても誇りに思っています。私自身もうれしいですが、ドキュメンタリーにとっても良いことです。また、精神医療の在り方にとっても良い受賞だったと思います。

この受賞によって、アダマンのような活動を行う場所に関心を持っていただきたいのです。このような人間的な精神医療があらゆる場所で浸透したらいいと思います。今、精神医療の現場が危機的な状況だと聞いています。もちろんお金も、人材も必要です。この映画でアダマンの活動を知っていただければ、働く人も利用者もサポートが得られるきっかけになると思います。

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