北野武監督、難産の末6年ぶり新作「首」完成「素晴らしい役者、スタッフのおかげ」と殊勝
2023年4月15日 20:13
たけしが19年に刊行した同名小説が原作で、戦国時代に織田信長の跡目を狙って武将たちがさまざまな策謀を繰り広げる一大エンタテインメント。たけしが羽柴秀吉役で主演し、西島秀俊が明智光秀、加瀬亮が信長、浅野忠信が黒田官兵衛、中村獅童が侍大将を夢見る元百姓の茂助、大森南朋が羽柴秀長をそれぞれ演じていることも発表された。


「NHKの大河ドラマはよく見るが、すごくきれいで人間の業、欲、裏切りが描かれていないので自分としては面白くない。自分が撮ればこうなるという発想だった」と持論を展開。撮影は21年4~9月に行われたが、コロナ禍で徹底した感染防止対策などが求められ、「一番心配していた俺が危なかった。死んじゃったら嫌だし。今回はだいぶ苦労したが、素晴らしい役者、スタッフのおかげ」と感謝した。

合戦シーンなどでの得意のバイオレンス描写に関しては、「個人的な切り合いがかなり出てくるが、日本刀は切られた時点でかなり痛い。カメラはあまり寄らないようにした。一方で切腹の時の介錯という儀式もある。それが混在した世界」と説明。加瀬が「残酷なシーンでも、監督が描くと品のいい映像に収まっている。ほかの監督と明らかに違う」と感嘆すると、「それは私と三池(崇史)監督の違いです。私は教養があって家柄がいいんだと思います」とおどけた。

また、武将同士が体の関係を持っているという描写もあるが、「命を懸ける関係なんだから、生と死をバックボーンにした男同士の絡みを描かないのはおかしい。正しくはないかもしれないが、こういう見方もある」と強調。そして、「自分としてはいいか悪いかは分からないが、やたら関係者に聞いて回っていると大多数が褒めてくれる感じが分かったので成功作なんだろう。できればヒットして、あと何本か撮れるようになればいい」と期待した。


02年「Dolls(ドールズ)」以来の北野作品となった西島は、「成長した姿を見せようとは絶対に考えないよう、無欲で監督の頭の中にある作品を表せるよう全力を尽くした。幸せな毎日でした」と感慨深げ。たけしとの初タッグとなった獅童は、「監督によって、新しい中村獅童を引き出してもらった」と満面の笑みを浮かべた。
同作は、5月16日に開幕する第76回カンヌ国際映画祭のカンヌ・プレミア部門でのワールドプレミアが決まり、たけしは「コンペの枠に収まらない強烈な映画ということらしいので、世界的に当たるだろうからひともうけできるな」とニヤリ。製作のKADOKAWAの夏野剛社長も「製作費15億円を1社で出した。世界に向けて自信を持って送り出すことができる」と鼻息を荒くしていた。
「首」は今秋公開予定。
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