三島有紀子監督、初のドキュメンタリー映画「東京組曲2020」5月13日公開 松本まりかが“泣き声”を担当
2023年3月23日 08:00

三島有紀子監督が、役者たちが過ごしたコロナ禍の日々をとらえた自身初のドキュメンタリー映画「東京組曲2020」(読み方:にーまるにーまる)が、5月13日に公開されることが決定。映画.comが特報、ポスター、場面写真を入手した。
全世界を揺るがした新型コロナウイルス。2020年1月に日本で最初の感染者、2月には死者が出たことが発表され、不穏な空気が流れ始めた。4月7日にコロナ対策の特別措置法(特措法)に基づく緊急事態宣言が初めて発令されると、人々の生活は一変。都道府県知事は飲食店やスポーツジム、映画館やライブハウスなど幅広い業種に休業要請を出し、全国的かつ大規模なイベントは中止や延期などの対応が求められた。そのなかには、映画の舞台挨拶、演劇公演、音楽コンサートなどもあり、エンタメ業界にとってもいまだかつてない事態となった。
三島監督は、自身の誕生日である4月22日の明け方、どこからか人の泣き声が聞こえてきたそのときに、本作の企画を思いついたという。NHKに在籍していた頃はドキュメンタリー番組を手がけていたが、退局後、映画監督として初のドキュメンタリー映画製作となった。20人の役者たちが各自撮影したものを、三島監督が映像を監修した。
撮影は、「このコロナ禍で何を感じているのかが忘れ去られる前に、映像に残し、記録として確認しよう」という思いとともに、3つのポイントで行われた。ひとつは、役者たちの暮らしぶりや感じていることを、三島監督が引き出す形でともに作ること。ふたつ目は、役者たち自身もしくは同居人が撮影すること(※緊急事態宣言下、不要不急の外出自粛を余儀なくされるなか、日常をともにする同居人が撮影することは可とされた。情景カットの撮影などは、三島監督も参加している)。3つ目は、「明け方(午前4時)に女の泣き声がどこからか聞こえてくる」というシチュエーションを、全ての出演者共通の出来事として描くこと。
この泣き声は、女優・松本まりかが担当。事前に録音した、8分にもおよぶ泣き声を、役者たちにイヤホンで聞いてもらい、そのときの感情の動きやリアクションが記録された。

日々の日記をつけようと決めた男性、出演舞台が延期となり、自宅で過ごすなかで家事に追われる女性、楽しみにしていた出演映画の舞台挨拶が中止になった女性、自宅で黙々と仕事をする女性など、20人の役者たちがコロナ禍第一波のなかで過ごした日常が、つぶさに切り取られている。
特報では、通行人が誰もいない渋谷の街に「新型コロナウイルスにより人間が活動を停止した時代」、真っ暗な東京タワーに「映画が“運動”を失った時代」というテロップが添えられている。明け方の街を背景に、役者たちが思いを吐露する切実な言葉が響く。タイトルデザインを担当したイラストレーターのオザワミカが手がけたポスターには、人の横顔のイラストとともに、「セカイハ ソレデモ ウツクシイ」という言葉が活写されている。
荒野哲朗、池田良、大高洋子、長田真英、加茂美穂子、小西貴大、小松広季、佐々木史帆、清野りな、田川恵美子、長谷川葉月、畠山智行、平山りの、舟木幸、辺見和行、松本晃実、宮崎優里(※「崎」はたつさき)、八代真央、山口改、吉岡そんれい(五十音順)が出演。今井孝博がラストカットの撮影、田中拓人が音楽を担当した。
三島監督のコメント全文は、以下の通り。
2020年4月の日本では、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため緊急事態宣言が出され、ロックダウンの状態となりました。
気にも留めていなかった当たり前のことが、断層ごとずれていくような感覚に陥りました。ちょうど51歳の誕生日、居場所を求めてベランダに座り、ひと夜を明かしていると、明け方、どこからか、人間の泣き声=生の声が聞こえてきたのです。
その時、このコロナ禍で何を感じているのかが忘れ去られる前に、映像に残し記録として確認しようと考えました。それで、リモートで声をかけた役者のみなさんに、カメラをまわしてもらいました。集まってきた映像素材から垣間見えたのは、人間の弱さと人間が希求してやまないものは何かということでした。それは、私にとって『人間の再確認』という作業となったのです。それらをクラウドファンドに参加してくださったみなさまやたくさんのみなさまの応援のおかげで、映画というひとつの作品にすることができました。
あれから三年、今、わたしたちは人間らしく生きられていますか? この映画を見た帰り道、ふと考えてもらえたら幸いです。
(C)「東京組曲2020」フィルム パートナーズ
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