「ジョン・ウィック」シリーズのランス・レディックさん、急逝 60歳

2023年3月20日 22:00


ランス・レディックさん
ランス・レディックさん

THE WIRE ザ・ワイヤー」「FRINGE フリンジ」などの人気ドラマや映画「ジョン・ウィック」シリーズのコンシェルジュ役で知られる俳優のランス・レディックさんが3月17日(現地時間)に急逝した。60歳だった。バラエティなど米メディアが一斉に報じている。

米TMZによると、レディックさんは17日早朝、米ロサンゼルス市内の自宅で倒れ亡くなっているところを発見されたとのことで、死因はまだ断定されていないものの、代理人は自然死だと伝えている。

1962年、米メリーランド州ボルティモア生まれ。ロチェスター大学で作曲を、名門イエール大学大学院で演劇を学んだのち、米HBOのドラマ「OZ/オズ」での演技が目に留まり、都市生活に潜む深刻な社会問題をリアルに掘り下げた、これまでにない硬派で型破りなドラマとして批評家から絶賛を浴びた同局のドラマシリーズ「THE WIRE ザ・ワイヤー」の主演に抜てきされた。

同ドラマの放送が終了した2008年、J・J・エイブラムス企画・制作総指揮によるヒットSF犯罪ミステリー「FRINGE フリンジ」に主要キャストのひとりとして参加。その他、「LOST」や「CSI:マイアミ」など数多くの人気ドラマに出演するかたわら、「ホワイトハウス・ダウン」(13)、「ザ・ゲスト」(14)、「エンド・オブ・ステイツ」(19)、「ゴジラvsコング」(21)といったヒット映画に出演。

キアヌ・リーブス主演の大ヒットアクション「ジョン・ウィック」シリーズでは、主人公を陰ながら支えるコンチネンタルホテルのコンシェルジュ、シャロン役を全3作で演じ、一躍知名度を上げた。シリーズ第4弾にして最新作となる「ジョン・ウィック コンセクエンス」(3月24日全米公開/9月日本公開)にも同役で続投するレディックさんは、亡くなる直前まで同作のプロモーションで精力的に取材を受けていた。

突然の訃報を受け、主演のリーブスとチャド・スタエルスキ監督は共同で声明を発表し、「愛する友人で同僚のランス・レディックを失い、深い悲しみに沈んでいます。真のプロフェッショナルであり、最高の仕事仲間でした。奥様やお子さんたちをはじめとするご家族とご友人たちのために祈ると同時に、この作品を美しい思い出とともに彼に捧げます」と早すぎる死を悼んだ。

同シリーズでコンチネンタルホテルの支配人ウィンストン役を演じるイアン・マクシェーンも、「ランスが亡くなったなんて、とても信じられない。素晴らしい共演者であり、素晴らしい人間だった」とショックを隠しきれない様子。また、レディックさんがシャロン役で出演しているスピンオフ映画「バレリーナ(原題)」で主演を務めるアナ・デ・アルマスは、「あなたと出会い、一緒に仕事ができたことを心から光栄に思います。安らかに」と、インスタグラムのストーリーで哀悼の意を表している。

他にも、「ありえないほど才能豊かな、ありえないほどのナイスガイだった」(ジェームズ・ガン監督)、「最新作となるウィリアム・フリードキン監督の『The Caine Mutiny(原題)』で、パワフルな演技を見たばかり。本当に偉大な俳優だった」(ギレルモ・デル・トロ監督)、「『THE WIRE ザ・ワイヤー』をまた最初から見直していたさなかに、60歳という早すぎる死のニュースが飛び込んできた。実に悲しむべきことだ」(作家スティーブン・キング)など、多方面から哀悼のコメントが寄せられている。

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