「犬王」「漁港の肉子ちゃん」「鬼滅の刃」「THE FIRST SLAM DUNK」「呪術廻戦」ヒット作のスタッフ、スタジオに「大川=蕗谷賞」授与
2023年3月17日 21:30
長編アニメーション映画のアジア最大の祭典として、3月17日に新潟市で開幕した第1回新潟国際アニメーション映画祭で、アニメーションの技術職のスタッフ、企業、スタジオを選出し、その業績を映画祭で顕彰する「大川=蕗谷賞」の授賞式が行われた。
「大川=蕗谷賞」は、第2次大戦後の日本のアニメーション文化の立上げに大きな役割を果たした、新潟出身でもある東映初代社長の大川博と、画家でアニメーション監督の蕗谷虹児の名を冠したもの。若手を含むスタッフの直近の成果、また制作現場の幅広い職種での活躍にスポットを当て、作り手を顕彰することで、アニメーションの文化の発展、振興への貢献を目指す。
「犬王」総作画監督の亀田祥倫氏と中野悟史氏、「漁港の肉子ちゃん」美術監督の木村真二氏、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の撮影監督寺尾優一氏、「THE FIRST SLAM DUNK」のCGアニメーションを担当した東映アニメーション/ダンデライオンアニメーションスタジオ、「劇場版 呪術廻戦 0」のスタジオMAPPAに、大川博氏の孫である大川豊氏から新潟市出身の美術作家長沢明氏が制作したトロフィーが授与された。
「漁港の肉子ちゃん」の木村氏は「昨年私どもの師匠である小林七郎が亡くなりまして、このような賞をいただき、天国から喜んでくれていると思います」とコメント。「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の撮影監督の寺尾氏は授賞式を欠席したが、ビデオメッセージを寄せ「撮影の仕事は、作画、背景、3D、コンテや脚本まで各セクションの仕事に影響を受けます。ですからこの賞はスタジオの仲間たちの成果でもあり、彼らに感謝を述べたい。初期のアニメ撮影は制約が多く、当たり前の仕事を実現することが困難な時代でしたが、デジタル撮影時代となり、『無限列車』でもキャラクターの心情に合わせて細かな光の設定を調整することに力を注いでいます。では次の時代は?と時々考えます。日々更新されるテクノロジーでもっとすごい切り口が生まれ面白い映像が生まれるかもしれない。その時アニメの映像がまた一段進化する可能性があるのでは……このワクワクがあるから僕はこの仕事を辞められないのだと思います」とアニメーション撮影技術について熱く語った。
「THE FIRST SLAM DUNK」からは東映アニメーションの中沢大樹氏、ダンデライオンアニメーションスタジオの西川和宏氏が登壇し、「『大川=蕗谷賞』という東映アニメーションのルーツである二人のお名前を冠した賞をいただけたことは光栄です。『THE FIRST SLAM DUNK』は、劇場で何度も見ていただくと新たな発見があると思う」(中沢氏)とアピール。MAPPAの淡輪雄介氏は「設立12年目で、若いスタッフを中心に新しいチャレンジを続けております。成し遂げたいこと、やれていないことはありますが、携わって下さったスタッフ関係者の皆様のおかげ。これからも魂を込めて作品を作り続けます」とさらなる飛躍を誓った。
受賞作は3月18日~21日に、T・ジョイ新潟万代にて、連日18時から日替わりで全作品が上映される。第1回新潟国際アニメーション映画祭は、22日まで開催。映画祭の情報は、公式HP(https://niaff.net)で随時発表される。
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