「第1回新潟国際アニメーション映画祭」が開幕 押井守監督「今日的な意味のある新しい作品を選びたい」
2023年3月17日 15:30

長編アニメーションにスポットを当てたアジア最大級のイベント「第1回新潟国際アニメーション映画祭」が3月17日、新潟市で開幕。市内の古町ルフル広場で行われた開会式にコンペティション部門審査委員長を務める押井守監督らが来場した。
長編コンペティション部門には「劇場版 ヴァンパイア・イン・ザ・ガーデン」(牧原亮太郎監督)をはじめ、フランス、米国、アルジェリアなど世界15カ国から21作のエントリーがあり、10本の作品が選出された。映画祭ではコンペティション作品を含む国内外の52作品が市内の4会場で上映される予定で、りんたろう監督最新作「山中貞雄に捧げる漫画映画『鼠小僧次郎吉』」のワールドプレミア上映、幻の実写映画「童夢」パイロット版を含む大友克洋作品を一挙上映するレトロスペクティブ部門、片渕須直監督、永野護監督、合田経郎監督らが登壇するトークイベントなどが開催される。
17世紀末から日本海側最大の港湾商業都市として発展した新潟市は、19世紀には江戸を凌ぐほどの国際都市と言われた。多くの著名なマンガ家、アニメ・クリエーターを輩出しており、2012年から10年間、「マンガとアニメを活用した街づくり構想」を実施、継続的なイベントとして「にいがたアニメ・マンガフェスティバル」、1996年から全国対象の「にいがたマンガ大賞」も実施。また、「新潟市マンガ・アニメ情報館」や蔵書1万冊を誇るマンガ図書館「新潟市マンガの家」を運営、マンガ家志望者のための家賃補助施設「トキワ荘」、そしてマンガ雑誌編集部と結んだ無料「ON LINE添削」を行うなど、日本有数のアニメ都市でもあることから、本映画祭の開催地に選ばれた。

開会式に登壇した押井監督は、「世界的にも珍しい長編アニメーションに特化したコンペティションです。アニメーションと一言で言っても、皆さんがよくご存じの日本のアニメーションがアニメの代表ではありません。アニメーションにはいろんな形式があり、今回の10本の絵柄もスタイルも全て違います。ぜひ、アニメーションの裾野の広さを確かめてほしいと思っています。10本の中から今日的な意味のある新しい作品を選びたい。3人で慎重に審査します」と意気込んだ。審査員のひとりで、米国のアニメーション専門の配給会社GKIDSのデイビッド・ジェステット氏は「世界のアニメーションフィルムを新潟で見ていただける事は重要なこと。この映画祭でアニメーションのいろんなジャンルやテクニックを見てほしい。日本のアニメはアメリカでも大人気なので、どんどん世界に広がって欲しいです」と期待を見せた。
フェスティバル・ディレクターの井上伸一郎氏は「世界に開かれた映画祭として、エンターテインメント性を重視した。この映画祭をきっかけに多数の観光客が新潟に訪れることでの経済活性化、地方創生の成功として象徴的なイベントになることを期待しています」と述べ、中原八一新潟市長代理で出席した野島晶子副市長は「漫画、アニメの街新潟が世界中に発信されることを期待」と市長のコメントを代読した。

開会式では、新潟市の郷土芸能「万代太鼓」のグループ「華龍」の太鼓演奏、高野文子氏キャラクター原案、山田尚子監督によるアニメシリーズ「平家物語」、ベネチア映画祭オリゾンティ部門で披露された湯浅政明監督「犬王」両作の琵琶監修と演奏を担当した後藤幸浩氏の弾き語りも行われ、会場を盛り上げた。
映画祭は22日まで開催。映画上映のほか、アニメーションに関するアカデミックプログラム、親子で楽しめるパラパラ漫画ワークショップ、痛車の展示やアニソンライブなど各種イベントも開催される。チケット販売を始めとした映画祭の情報は(https://niaff.net)で告知している。


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