【第73回ベルリン国際映画祭】「#マンホール」が好評 熊切和嘉監督&中島裕翔が現地で作品語る
2023年2月21日 20:00

第73回ベルリン国際映画祭で、現地時間の2月20日、ベルリナーレ・スペシャル部門に招待された熊切和嘉監督の「#マンホール」が上映され、熊切監督とともに主演の中島裕翔が現地を訪れた。
結婚を翌日に控えた主人公が、パーティの帰りにマンホールに落ち、そこからいかに脱出できるか、というシチュエーション・スリラーの本作。ソールドアウトとなった会場では、上映中にところどころで笑いが起き、最後は喝采を浴びるなど、現地の観客にも十分に受けている手応えが感じられた。
上映後のQ&Aでは、中島は達者な英語を披露。「本作では欲望というものがよく描かれていたと思うが、あなたはいま、どのようなことを望んでいるか」という観客からの質問に、「とにかくマンホールに落ちないように気をつけたいです」と答え、会場の笑いを誘った後、「マンホールというのは、人生にいくつかある落とし穴ということでもあるので、役者として活動していく上で、人生の落とし穴に落ちないように心がけたいと思います」と語り拍手を浴びた。

ソーシャル・メディアについて尋ねられると、「人々が自分についてどんなことを挙げるのか、というのはたしかに怖いことでもあります。ただ、僕は本来心配性のほうですが、あまり考えないようにはしています。その一方で、ファンの方がどんなことを望んでいるのかを知ることができるわけなので、それを賢く応用できたらとも思います」と心情を明かした。
「撮影中もっとも印象的な体験は?」と尋ねられると、「すべての経験がどれも強烈でしたが、あえて言うなら泡まみれになったシーンです。あんなことは経験したことがなかったので。おそらくほとんどの人が経験したことがないと思いますが(笑)」と語った。
一方熊切監督は、「人間はきれいごとだけでは片付けられないところがあるので、ある極限状態に陥ったり、SNSのような匿名のなかで悪意が芽生えたりすることもあると思うのですが、それを隠すのではなく、表現としてありのまま見せることによって、それとの付き合い方を覚えていくのが大事なのではないかという考えがあって、このような映画を作りました。これからもこういう映画をどんどん作っていきたいです」と意欲をのぞかせた。
Q&A後、さらに日本向けの取材に応じてくれたふたりは、よりリラックスした笑顔を浮かべ、それぞれ感想を語った。
「僕にとっては初めてのベルリン国際映画祭でしたし、現地の方と一緒に観て、どんな反応がもらえるのかというのが一番楽しみな瞬間でもあったので、こんなに温かい拍手と、要所要所で笑い声がたくさん起こったというのはすごく嬉しかったです。笑いが起こるポイントというのも、いい意味で日本とはまた違って独特だと感じました。観客の方と一緒に観ていてすごく楽しかったですし、最高の時間でした。また熊切監督と、クレイジーな映画を撮って、みなさんを驚かせたいと思います」(中島)。「僕のいままでの作品は、それほどお客さんが湧くようなタイプではなかったのですが、今回は比較的エンターテインメントなので、思った以上に反応が良くて嬉しかったです」(熊切)

熊切監督がベルリンを訪れたのは、パノラマ部門で上映された「鬼畜大宴会」(1998)以来25年ぶり。当時を振り返り、「その年はクエンティン・タランティーノが『ジャッキー・ブラウン』で来ていて、僕は自分の映画のチラシを渡したくてレッドカーペットの脇で待っていたのですが、彼は受け取ってくれなくて、サミュエル・L・ジャクソンがもらってくれたのを覚えています(笑)。そのレッドカーペットを今回自分が歩けるというのは、とても感慨深いです」と感想をもらした。(佐藤久理子)
「#マンホール」(配給:ギャガ)は全国で公開中。
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