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ロッテルダム国際映画祭で湯浅政明監督特集 現地ファンから熱心な質問が寄せられる

2023年2月7日 16:00

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上映後のQ&Aに応じた湯浅政明監督
上映後のQ&Aに応じた湯浅政明監督

1月25日に開幕したロッテルダム国際映画祭で、湯浅政明監督作「犬王」のオランダ・プレミア上映がおこなわれるとともに、彼のテレビシリーズや短編を含めた特集上映が開催された。湯浅監督自身も現地を訪れ、ティーチインを開催し、大きな反響を集めた。

今回上映された旧作品は、「四畳半神話大系」(2010)、「マインド・ゲーム」(04)、「夜は短し歩けよ乙女」(17)、「夜明け告げるルーのうた」(17)、「きみと、波にのれたら」(19)、「映像研には手を出すな!」(20)、「日本沈没2020」(劇場編集版)(20)と短編の「夢みるキカイ」(07)、「キックハート」(13)。これらの作品が劇場で上映されるのは稀とあって、連日、若者から大人の映画ファンまでが会場を埋めた。

画像2撮影:佐藤久理子

じつは、映画祭にとってこの企画は1年越しで実ったものだ。「犬王」のワールドプレミアとなった2021年のベネチア国際映画祭で本作に感動したロッテルダムのディレクター、バーニャ・カルジアセッチが、いまこそレトロスペクティブをやるときだと思い、さっそく2022年1月に向けて準備を開始。ラインナップが揃うも、コロナの猛威により一ヶ月前にやむなく映画祭自体をオンラインに切り替えたため、特集上映も1年見送ることになったのである。そこまで辛抱するほど湯浅監督を評価していたということだろう。カルジアセッチは、「『犬王』のオランダの配給会社も協力してくれて、公開を引き延ばしてくれた。わたしは湯浅監督を『マインド・ゲーム』で発見して以来、ずっと追ってきました。彼の作品は他の日本のアニメーションと比べてもとてもユニーク。大衆的でスウィートでありながら、同時にアバンギャルドでもある。両方をバランスよく備えた監督は稀。つねに領域を広げ、驚きを与えてくれます。オランダではコアなファンはいるものの、まだ十分にポピュラーとは言えない。これを機会に彼の作品のことをもっと知ってもらえたらという思いもありました」と称賛する。

およそ300席ある会場で行われた「犬王」のプレミアはソールドアウトになり、場内は熱気に包まれた。上映後の湯浅監督とのQ&Aでは観客から、「いろいろな作品で水が重要な要素として使われているが、こだわりの理由は?」「あなたの作品では音楽も印象的だが、一般的に音楽からどんなインスピレーションを受けるか」「手塚治虫の漫画『どろろ』と似た要素があるが、意識したところはあるか」といった熱心な質問が続いた。

ティーチインの模様
ティーチインの模様

会場に観に来ていた20代の若者のグループはそれぞれ、「湯浅監督の作品はぶっとんでいる。色使いや音楽の入り方やジョークの入れ方などが、他のアニメーション作品とはとても異なり、そこが楽しい」「『マインド・ゲーム』から彼のファン。大きなスクリーンで楽しむのに向いている、カタルシスがある」といった感想を興奮しながら語ってくれた。また「自分はノンバイナリー」というひとりの観客は、「彼の作品には自由を感じる。『犬王』では、とても中性的なキャラクターが描かれていて、そういう点も型にとらわれていない新しさがあると思った」と評した。

現地で取材に応じてくれた湯浅監督は、「映画祭でこれほど大きく取り上げて頂けることはなかなかないですし、オランダに来たのは仕事では初めてなので、やって頂けるならぜひという感じでした。自分はふだん、短編やテレビシリーズの仕事もしているため、仕事全体を観てもらうためにはそういう作品もあった方がいいと思ったので、提案して頂いたのは嬉しかったです。また日本のローカルな話である『犬王』が、こうやって少しずつ世界に広がっていくのもありがたいことだと。自分には、日本だけでばか当たりするような映画は作れないかもしれないので(笑)、世界各地で少しずつみんなが楽しんでくれて、うまくいくような作品作りができるならそれがいい。とくにアニメ・ファンに向けて作っている意識はないので、アニメというジャンルにこだわらずに見てもらえたらと思っています」と、喜びと期待を顕にした。

(佐藤久理子)

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