松山ケンイチ「ずっと監視していたんですよ」 ファンと一緒に主演作「ロストケア」を“初鑑賞”
2023年2月3日 10:30

松山ケンイチと長澤まさみが2月2日、都内で行われた初共演映画「ロストケア」の完成披露試写会にそろって出席した。連続殺人犯として逮捕された介護士(松山)と、検事(長澤)の対峙を描いた社会派サスペンス。松山はこの日、本作を“初鑑賞”したといい「お客様がどう受け取ってくれるか、反応を共有したくて、ずっと監視していたんですよ。柄本さん(柄本明)の演技で、鼻をすする音も聞こえて、同じ空気感で見ることができた」と感慨深げだった。
完成披露試写会には松山と長澤をはじめ、共演する鈴鹿央士、戸田菜穂、加藤菜津、前田哲監督(「そして、バトンは渡された」)、原作「ロスト・ケア」を手がけた葉真中顕氏が出席した。

原作との出合いから10年をかけ、松山自身が映画化にまい進し「この映画が描く問題は、もう『見たくない』という風にはできなくなっている。未来のためにも、見つめなくてはいけないことですし、今日皆さんと映画を見て、伝えたいことは伝わったなと思います」と確かな手応えを示していた。

そんな松山の姿に、長澤は「映画化のために動いていた、確実にプロデューサーさんだなと思う」と尊敬の念。介護士でありながら、42人の命を奪った殺人犯を裁こうとする検事役は「感情的になり、飲み込まれそうだなと思った」といい、「相手への信頼感がすごく重要だと思った」。松山とは初共演だが、「安心感がありましたし、一緒に進んでいけるなと思った」と全幅の信頼を寄せていた。

さらに「俳優同士、言葉じゃなく伝わるものがあって、それが化学反応になって、現場でしか生まれない“生のもの”を日々積み重ねることができた」と振り返り、「松山さんがいなければ、演じることはできなかった」と感謝の言葉。「僕もまーちゃんと同じ思いです」(松山)、「ケンちゃんもそう思ってた?」(長澤)とユーモアを交えながら、実力派同士だからこそ共有した信頼感を確認し合っていた。
そんな二人のやり取りに、前田監督は「今は仲良しでいらっしゃるけど(笑)、現場ではまったくしゃべっていない」と明かし、「とにかく全身全霊の芝居を見てほしい。現場でもスタッフが震えたほど」と俳優陣を絶賛。原作の葉真中氏は「自分が作者であることを忘れるほど見入ってしまった。すばらしい映画が完成し、感激です」と太鼓判を押し、「自己責任論に飲み込まれず、他人への想像力豊かにしてほしいなと思う」と本作が投げかけるメッセージを訴えかけた。
「ロストケア」は、3月24日に全国公開。
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