【インタビュー】パク・ソダム“絶対に失敗しない”運び屋役への挑戦 「パラサイト」子役との共演も語る
2023年1月19日 18:00
ハリウッド顔負けのスリリングなカーチェイス、予想外の展開と手に汗握る痛快アクションが炸裂する韓国映画「パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女」が、1月20日に公開を迎える。
主人公は“ワケあり”荷物を届ける特殊配送会社「特送(とくそう)」に所属するウナ。彼女は、天才的なドライビング・テクニックを持つ凄腕の女運び屋だった。“絶対に失敗しない女”が引き受けたのは、外ヘの逃亡を図る賭博ブローカーと、その息子ソウォンを港まで運ぶこと。しかし、思わぬアクシデントにより依頼人不在のまま、ソウォンと300億ウォンが入った貸金庫の鍵を抱えて追われる羽目に。悪徳警官、殺し屋、「脱北」の過去を持つウナを秘密裏に調査する国家情報院までをも巻き込んだ、命がけのカーチェイスが始まる。
最高にクールでタフな女性が幼い子どもを守り抜く――。ジョン・カサベテス監督×ジーナ・ローランズによる傑作「グロリア(1980)」を彷彿とさせる物語。そこに技巧を駆使したカーアクションがふんだんに盛り込まれている。
主人公・ウナを演じたのは、「パラサイト 半地下の家族」のキム・ギジョン役で知られるパク・ソダム。このほど、撮影の裏側を明かすオフィシャルインタビューが披露された。
脚本を読んで、まずウナのエネルギッシュなキャラクターに感銘を受けました。一見、我が道を突き進むスタイルの女性のようですが、心のなかではある痛みを抱えている。そんなウナを包み込み、表現してあげたいと思ったんです。また、20代の初めに出演した短編映画で多少アクションの経験がありましたが、もっと多くのアクションに挑戦してみたいと思っていたんです。そんなチャンスにも恵まれたウナ役をどうしてもやりたいと思いました。
ウナを演じるにあたり、日常で運転する際には使うことがないドリフトなど多くのテクニカルな動きが必要とされました。撮影前にそれを習得するためにアクションスクールで訓練を受け、運転の練習もしました。撮影中は振り付けチームに運転中の視線の配り方なども教わり、より「運転のプロ」らしく自然に見せるにはどうしたらよいのかを考えながらベストを尽くしました。
パク・デミン監督と最も話し合ったのは、ウナの内面の葛藤を演じることについてです。ソウォンと出会う前のウナは、ただ仕事をして立ち去るタイプの人間でした。彼女はいきなり身寄りのない子どもを押し付けられて身動きが取れなくなるなんて思いもしなかったのです。
私はウナがソウォンを遠ざけてよそよそしい態度をとることに注目しました。たとえソウォンに行く当てがなくても、業務外のことなので「自分には関係がない」という理由でそうするのです。しかし、彼女は幼少期に「脱北」をした過去があり、その際に家族を全員失いました。誰にも世話をしてもらえず苦労した経験があるので、そんな自分の境遇と重なるソウォンに心を開き始めます。ウナがいつ、どのようにソウォンと心を通じ合わせていくのかについてパク・デミン監督と何度も話し合い、その感情を表現することに重点的に取り組みました。
実は本作の出演オファーを受けたときに、「パラサイト 半地下の家族」で私とチョン・ヒョンジュンくんが家庭教師と教え子役で共演することを監督はまだ知らなかったんです。この偶然に監督はすごく不思議がっていましたし、私とヒョンジュンくんもまさかこんな縁があるなんて…と話していたんですよ。
ヒョンジュンくんは現場でラップをしたり、ダンスをしたり(笑)。連日の撮影で疲れている現場の空気をいつも和ませてくれました。子どもの体力的にはさらに疲れているはずなのに。大変なときもヒョンジュンくんが放つ明るくて元気なエネルギーのおかげで楽しく撮影することができました。あと、私にすごくなついてくれて、スタッフにからかわれることも。撮影現場で一番「チャン・ウナさ~ん」と私を呼んでくれましたね(笑)。彼がこれからどのように成長していくか楽しみです。
まず、「ワントップ」という言葉自体にとてもプレッシャーを感じていましたが、共演者の方々と初めて顔合わせをした際に、「あなたが“ウナ”になるためにみんなで支えるから、思いっきり自分のやりたいことをすればいい」と言ってもらえました。特にペク社長役を演じたキム・ウィソンさんは常に気にかけて声をかけてくれましたし、悪徳警官ギョンピルを演じたソン・セビョクさんにはアクションシーンでたくさんフォローしてもらいました。彼は役とは対照的に愉快で優しい人で(笑)、制作現場に良い雰囲気をもたらしてくれたんです。
そして、監督は制作期間中いつも心を開いて私の意見に耳を傾けてくれた。そのことにとても感謝しています。スタッフ・キャストのみなさんに支えてもらったおかげで、「ちゃんと助けをもらえばいい。ひとりで成し遂げられることはないのだから」と考えることができました。韓国映画においても、女性のワントップ映画がさらに増えてほしいなと思います。
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