清原惟監督「すべての夜を思いだす」ベルリン映画祭に正式出品! 初長編から2作品連続で選出
2023年1月16日 20:00

第26回PFFスカラシップ作品「すべての夜を思いだす」(監督・脚本:清原惟)が、2月16日~26日(現地時間)にドイツで開催される、第73回ベルリン映画祭のフォーラム部門に正式出品されることがわかった。
「すべての夜を思いだす」は、世代が違う女性たちの一日の断片が響きあう物語。多摩ニュータウンですれ違う三人の女性たち。誰かにとって大切な記憶が、ほかの誰かの一日と呼応する。街に積み重なる時間の痕跡に触れ、小さな変化が起きていく。
出演は、兵藤公美、大場みなみ、見上愛、内田紅甘、遊屋慎太郎、奥野匡。撮影は飯岡幸子、照明は秋山恵二郎、音響は黄永昌、美術は井上心平、編集は山崎梓が担当している。

1992年生まれ、東京都出身の清原監督。東京藝術大学大学院の修了制作作品となった初長編作品「わたしたちの家」は「PFFアワード2017」でグランプリを受賞し、2018年・第68回ベルリン映画祭のフォーラム部門でも上映。カンヌ、ベネチアと並ぶ世界三大映画祭のひとつでもあるベルリン国際映画祭において、初長編から2作品連続で上映されるという快挙を成し遂げた。
「わたしたちの家」がグランプリを受賞したブラジルの映画祭・クリチバ国際映画祭のプログラマー、アーロン・カトラー氏は、清原監督の新作について「感動しました。極めて微妙なニュアンスと繊細さをもって、説明せずとも人々に深い共感を呼び起こすことに成功していることに。ずっと、ロベルト・ロッセリーニのこと、そして、歴史は常に我々を取り巻いている、ということを感じていました」とコメントしている。
なお、フォーラム部門は4年前に運営メンバーが交代。今回セレクションで清原監督作品に初めて触れることになった選考メンバーの面々は「選考メンバーの全員一致で招待が決まった」とのこと。同部門ディレクターのクリスティーナ・ノード氏は「冒頭のカットから、これは特別な映画だ、と直感しました。3人の女性の一日を、離れたところから、ゆったりと見つめる。その『場所』の素晴らしさにときめきながら、一緒に歩いていく。『すべての夜を思いだす』は、眩しく、優しく、時に爽やかな風が通り抜けるあの夏の日、のような映画です」と語っている。
清原監督は、今回の選出について「『わたしたちの家』で初めて呼んでいただいた国際映画祭であるベルリン映画祭で、再び上映できること、とても嬉しく思います。一日の小さな旅の映画が、そのゆっくりとした歩みで海のむこうへと旅立っていくのを、楽しみに見守りたいです」と思いの丈を述べている。
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