【「フラッグ・デイ 父を想う日」評論】家族の絆とは何なのか、ショーンとディランのペン父娘の共演で問いかけてくる
2022年12月25日 16:30

大人になり切れない男を演じたらショーン・ペンの右に出る者はいないのではないか―。アメリカ最大級の贋札事件の犯人が父親だったという衝撃の実話をペンが構想15年をかけて監督し、初めて自身の監督作で主演した。さらに、ペン演じる父親ジョンの娘ジェニファー役で、ペンとロビン・ライトの実の娘であるディラン・ペンが共演を果たしているというのだから、よりパーソナルな思いが作品に込められているのではないかと期待が高まってしまう。
原作はジャーナリストのジェニファー・ボーゲルが2005年に発表した回顧録。脚本は「フォードvsフェラーリ」のジェズ・バターワース&ジョン=ヘンリー・バターワースが手掛け、ジョシュ・ブローリン、デイル・ディッキーらが共演という強力な布陣で、第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された。ちなみに、ペンとロビン・ライトの実の息子であるホッパー・ジャック・ペンもジョンの息子役で出演しているので注目して欲しい。
自分の父親が犯罪者だったら、あなたはどうするだろうか。他人に知られないように隠すとか、平穏に暮らしていくために絶縁を考える人もいるかもしれないし、憎んでしまうかもしれない。もしくは、それでも味方になって、罪を償うように促し、更生するのを待つ人もいるだろう。それはどんな罪なのか、それぞれの家族、親と子の関係性によっても異なるに違いないが、原作者はそれを公に発表したのだから、父親への深い愛情を持っていたことが伝わってくる。
子どもたちが幼い頃のジョンは、“平凡な日々を見違えるほど驚きの瞬間に変えてくれる”父親で、子どものような心を持って家族を喜ばせようとした。そんな父親との思い出は、子どもたちにとってかけがえのないものとして鮮烈に記憶に残っている。監督ペンは思い出のシーンを8ミリフィルムなどで撮影し、楽しく輝いていた幸せな日々を表現。映画を見ている者のそれぞれの懐かしい記憶を呼び覚ます。
しかし、やがてジョンの素顔が、家族から逃げ、事業の失敗を他人のせいにし、言い訳ばかり並べ、無意識に嘘をつくような、どうしようもない男だということが明らかになるのだが、役者ペンはこの良き父親と落ちぶれてしまった男の二面性を見事に演じ分けてみせる。大人に成長し、久しぶりに会ったジェニファーの前で良き父親を演じようとする様は切なく、役者ペンの真骨頂と言えるだろう。
そんな父親に対する憧れから反抗心への変化、もがきながらも自立し、弱さや矛盾に満ちた父親への愛情を深めてゆくジェニファーをディランが好演。劇中の父娘と、実際のペンとディランの関係性が重なって見えてきてしまう。どうしようもない人間であっても愛してしまう、他人には理解できない家族の絆とは何なのかを、見る者に問いかけ、胸が熱くなる物語だ。
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