二宮和也の発案&熱望でシベリア抑留の歴史を伝える教材用DVD制作 「ラーゲリより愛を込めて」映像を使用
2022年12月2日 10:00
二宮和也が、シベリアの強制収容所(ラーゲリ)に不当に抑留された男を演じた「ラーゲリより愛を込めて」から学校教材用のDVDが制作されたことがわかった。二宮自身が発案し、ナレーションを務めている。
本作は、瀬々敬久監督(「64 ロクヨン」2部作、「糸」)が、辺見じゅん氏の「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」(文春文庫刊)を映画化するもの。第二次世界大戦終了後の1945年、60万人を超える日本人が、零下40度のシベリアにあるラーゲリで捕虜となった。わずかな食料での過酷な労働が続く日々に誰もが絶望するなか、ただひとり、生きることへの希望を捨てなかった山本幡男(二宮)という男がいた。劣悪な環境で、栄養失調で死に逝く者や自ら命を絶つ者が相次ぎ、日本人捕虜同士の諍いも絶えないなか、幡男は仲間思いの行動とその力強い信念で、多くの抑留者たちの心に希望の火を灯した。
北川景子が山本の帰国を信じ、待ち続ける妻・モジミを演じる。山本と同じく抑留者となった男たちを、松坂桃李、中島健人、桐谷健太、安田顕らが体現した。先日行われた高校生試写会は、「映画を通して『シベリア抑留』の歴史を少しでも多くの方に知ってほしい、特に若い学生の方たちに見て、感じて、考える場にしてほしい」という二宮たっての願いで実現。学生たちにシベリア抑留の歴史を説くとともに、決して忘れてはいけない歴史であることを話す貴重な場となった。
シベリア抑留を学ぶためのDVDには、約15分間の映像を収録。映像は、「映画に出演して、みなさんに伝えたい戦争の歴史があるということを強く感じました」という二宮のナレーションでスタートする。東京の平和祈念展示資料館に展示されている、抑留者が実際に着用していた衣服や、ラーゲリを再現した模型の展示なども紹介。二宮がシベリア抑留の概要を説明し、「『戦争』や『平和』について考えてみませんか」と問いかける。
さらに、映画の映像を使用し、「戦争の終わりとシベリア抑留」「ラーゲリ(収容所)での生活」「家族への想い~帰国」という3つの項目で、歴史上の事実を解説。抑留者たちが不当に受けた苦しみ、あまりに過酷な環境に希望が見出せず絶望する姿。さらに抑留者だけではなく、日本で帰国を待ち続ける家族の懸命な姿も映し出される。最後には二宮が、「この映像を見て、どんなことが心に残りましたか? みなさんが感じたことや、調べたことを誰かに伝えてみませんか?」と、メッセージを投げかけている。
DVDは、シベリア抑留に関する数多くの展示を行っている平和祈念展示資料館、舞鶴引揚記念館の協力の下、全国約1500校の中学校・高校に、申し込み案内を順次配布。来年度からは、平和祈念展示資料館(総務省委託)が案内を継続する予定となっている。
「ラーゲリより愛を込めて」は、12月9日に全国東宝系で公開。
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