解体が近付く巨大団地に暮らす250匹の猫たちの「お引っ越し大作戦」開始! 「猫たちのアパートメント」予告
2022年11月2日 14:00

「子猫をお願い」(2001)で鮮烈なデビューを果たしたチョン・ジェウン監督のドキュメンタリー「猫たちのアパートメント」の、愛くるしくも寂しげな野良猫たちの姿をとらえた予告編とポスターがお披露目。映像には、解体が近付く韓国・ソウル市内のマンモス団地で暮らす250匹の猫たちの「お引っ越し大作戦」の一端が、生き生きと切り取られている。

本作は、老朽化で再開発が迫る団地に住む250匹の猫たちと住民たちによる「お引っ越し作戦」を、四季を通じて2年半にわたり追いかけたドキュメンタリー。ソウル郊外、江東区にある、かつてアジア最大と呼ばれた遁村(トゥンチョン)団地は、再開発が決まり、少しずつ住民の引越しや取り壊し工事が進んでいる。しかし、そこには住人たちに見守られ、250匹の猫たちも暮らしていた。果たして団地が解体されるまでに、猫たちに新たな安住の地を見つけることはできるのか――。


予告編では、団地に住むイラストレーター、作家、写真家ら女性たちが中心となって活動する「遁村団地猫の幸せ移住計画クラブ」(略称「トゥンチョン猫の会」)の活動を活写。彼女たちは住民の意見を聞く会を催し、猫たちの顔を見分けるために写真を撮り、イラストを描いてパンフレットを作り、猫たちを再開発地域から安全な場所に移住させている。さらには、「里親の元へ行く猫」「新しいすみかに引っ越す猫」など、猫たちがたどる道を提示。映像は、チョン監督の「『猫』は私たちの社会の変化を示す物差しです。だからこそ、ますます興味が湧いてくるんです」という言葉で締めくくられている。ポスターには、団地の第三地区の主で、主人公のような立ち位置の黒猫カミを中心に、個性豊かな猫たちが写し出されている。


20代の女性5人の友情、夢、恋、挫折、拾った子猫との関係をみずみずしく描き、韓国の女性監督や女性を主人公にした作品が注目を集めるきっかけになった記念碑的作品「子猫をお願い」のチョン監督。「トゥンチョン猫の会」のメンバーも、「『子猫をお願い』は私たちの世代では知らない人がいないほど有名な映画で、その監督にぜひこの団地と猫を記録してほしいという思いがあった」と語る。
フィクションとノンフィクションを自在に手掛け、独自の作品歴を築き上げたチョン監督は本作で、自由気ままに団地を闊歩する猫たちの姿を、地面すれすれに構えた猫目線のカメラでとらえている。猫という存在を通して、街や社会の矛盾や変化、未来へのヒントを暗示する。さらに猫を人間の対等なパートナーとして位置づけることで、都市の生態系、アニマルライツ、環境などへのさまざまな考え方に目を向けさせる作品に仕上がっている。
「猫たちのアパートメント」は、12月23日から東京のユーロスペース、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開。
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