豊川悦司「理想中の理想」バディ役に片岡愛之助を指名　「仕掛人・藤枝梅安」で初共演

2023年に生誕100年を迎える池波正太郎のベストセラー時代小説シリーズを2部作で映画化する「仕掛人・藤枝梅安」「仕掛人・藤枝梅安2」の取材会が10月13日、都内で行われ、主演の豊川悦司、共演する片岡愛之助が顔をそろえた。

原作は「鬼平犯科帳」「剣客商売」とともに、長年愛される池波作品の人気シリーズ。腕の良い鍼医者という表の顔と、生かしてはおけぬ者たちを闇に葬る冷酷な仕掛人という裏の顔の持った藤枝梅安（豊川）の暗躍を痛快に描く。製作は「時代劇専門チャンネル」を運営する日本映画放送、NTTぷらら、スカパーJSATが共同で手がけ、河毛俊作監督がメガホンをとる。

自身の役どころについて、豊川は「梅安はダークヒーロー」だと分析し、「良いことも悪いこともする梅安だが、じゃあ善悪って何だと問いかけているのが池波先生の原作。必要悪という言い方もあるが、それはどこか誰もが認めざるを得ない感情であり、行為だと思う」と熱弁。「梅安がダークサイドにいるからこそ、ご覧になる方々も納得し、夢を見られる」と語った。

過去には緒形拳さん、萬屋錦之介さん、渡辺謙らそうそうたる俳優たちが演じており、「特に緒形拳さんのドラマはずっと見ていましたし、先輩方の出演作を見返す作業はとても楽しかった。演じる切り口はたくさんあるが、軸はブレないので、演じがいがある」とキャラクターの魅力にも触れ、「映画でしか作れない映画が完成した。ギリシャ悲劇は言い過ぎかもしれないが、古典が持つ影を現代的に取り入れ、新しい時代劇にふさわしい」とアピールしていた。

梅安の相棒となる彦次郎を演じる愛之助は、「信頼と大きな愛があり、二人ともどこか孤独。瞳の奥にある闇が共通している」と両者の関係性をコメント。もともと豊川の提案で、愛之助のキャスティングが決定した経緯があり「役者として持っている“華”が他の俳優さんとは違うし、いつか共演したいと思っていた。愛之助さんは理想中の理想」（豊川）、「本当ですか？　そんなうれしいことはない。豊川さんは原作からそのまま抜け出てきたようでしたし、現場を優しく大きなオーラで見守ってくださった」（愛之助）と劇中さながらの、バディとしての強い絆も披露された。

「仕掛人・藤枝梅安」は2023年2月3日、「仕掛人・藤枝梅安2」は同4月7日から全国ロードショー。菅野美穂、小野了、高畑淳子、小林薫らが共演し、第1部ゲストとして早乙女太一、柳葉敏郎、天海祐希が出演する。