アカデミー賞主演女優賞を競った「スペンサー」「パラレル・マザーズ」の共通点は? 特別な母親像を体現
2022年10月8日 11:00

今年3月に授賞式が行われた第94回アカデミー賞。特に予想が困難とされたのが主演女優賞で、作品賞にノミネートされた作品からこの部門への選出がなく、全員が高評価を受けていたため、事前の予想はこれまでにないほど割れたのであった。
そしてこの秋、賞レースを盛り上げた2人の女優の主演作が揃って公開となる。それがクリステン・スチュワート主演の「スペンサー ダイアナの決意」と、ペネロペ・クルス主演の「パラレル・マザーズ」であり、どちらも“母”として生きる女性を描いた作品かつ、複雑で繊細な母性が描かれているという共通点がある。

「スペンサー ダイアナの決意」で描かれるのは、ダイアナ元妃がチャールズ元皇太子との離婚を決意したといわれる 1991 年のクリスマスの3日間。いかにして王室の古いしきたりと一人孤独に戦っていたかが、寓話として描かれる。誰もが知っているとおり、ダイアナ元妃はやがて王室を離れることとなるが、彼女がそう選択した大きな理由の一つが「母」という責任感からだった。20歳の若さで王室に嫁いだダイアナ元妃だが、夫は別の女性を愛し、王室のしきたりを重んじる他の家族も彼女には冷たく見えてしまう。そんな彼女の愛は自然と2人の息子たちへ向けられるようになったのだ。
スチュワートはダイアナ元妃の息遣いからしゃべり方のアクセント、そして所作のすべてを研究し続け、見事に再現している。さらに、人知れず抱える苦悩や息子たちへの限りない愛を、全身全霊で表現し、自身初となるアカデミー賞主演女優賞にノミネートを果たした。

「パラレル・マザーズ」で描かれるのは、シングルマザーたちの複雑で奇妙な友情。クルスが演じるジャニスは、病院で取り違えられた他人の子どもを育てている。ペネロペは答えの出ない問いを抱え続けるジャニスの複雑な心情を体現し、あらゆる形で現れる母性の本質を追求した。
主演の名演をじっくりと堪能したい2作品だが、さらにどちらも色彩が鮮やかで画面の隅々まで絵画のように楽しめるという見どころも。“芸術の秋”に鑑賞する作品としてもぴったりとなっている。
「スペンサー ダイアナの決意」は10月14日から、「パラレル・マザーズ」は11月3日から公開。
(C)Remotamente Films AIE & El Deseo DASLU
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