小雪、12年ぶり主演作「桜色の風が咲く」予告編&場面写真披露 母と息子の実話をもとに希望を描く
2022年9月15日 08:00

小雪が12年ぶりに主演する「桜色の風が咲く」の予告編と場面写真が披露された。世界で初めて盲ろう者の大学教授となり、現在は東京大学の教授として教鞭をとる福島智氏の半生が描かれ、小雪演じる母親との歩みを垣間見ることができる。
9歳で失明、18歳で聴力を失いながらも大学へ進学し、現在は東京大学先端科学技術研究センターバリアフリー分野教授を務める福島氏。映画は福島氏と母親の実話にもとづき、幼少期から大学受験までを描く。母・玲子氏は、盲ろう者の息子との日常から“指点字”を考案。リアルタイムで言葉を伝える新たなコミュニケーションの手段、“指点字”の知られざる誕生物語が紡がれる。

おおらかで凛とした母・令子役を小雪、青年期の智役を田中偉登がそれぞれ演じるほか、夫・正美役で吉沢悠が共演。さらに、リリー・フランキー、朝倉あきらが顔を揃える。メガホンをとったのは、「最後の命」「パーフェクト・レボリューション」の松本准平監督。
映像は、幼少期に右目の視力を失いながらも、3人兄弟の末っ子として天真爛漫に育つ智と母・令子のユーモアあふれるやりとりで始まる。元気よく遊びに出かける智の姿や、家族で楽しい日々を過ごす様子が映し出されていく。
やがて高校生となり、家族の元を離れ東京の盲学校で寮生活をスタートさせた智。心配する令子を「僕には耳がある、だから大丈夫や」と安心させる智だが、令子は帰省した智の耳の状態が良くないことに気づく。聴力を失うと知り、まるで宇宙に放り出されたような孤独を感じる智。


「耳がだめになったら会話もろくにできない」「私、何もしてやれない。これでも母親なのかな」と涙する智と令子だったが、映像の後半では2人の努力の日々が描かれていく。そして、智の指に点字を打つようにして言葉を伝える令子と、「指点字なら読める。これならわかるわ」「ありがとう、おかあちゃん」と感謝を伝える智の姿が映される。
モデルとなった福島氏は、「実話に基づいているとはいえ映画ですので、さまざまな脚色やフィクションは当然含まれています。それでも、幼いころの義眼のエピソードや運動療法に取り組んでいた時のエピソードなど、事実に基づいていることも少なくありません」とコメント。「中でも、1981年の3月のある朝、『病院に遅れるで』と、文句を言いに台所に行った私に、母が突然、両手の指で私の指に妙なことをし始めたこと、つまり、『指点字』の始まりの場面は、現実と映画がそのまま連続しているように感じました」と語っている。
「桜色の風が咲く」は、11月4日よりシネスイッチ銀座、ユーロスペース他にて全国順次公開。
私・福島智は今、59歳。母・令子は今、89歳。私は東京で妻と、母は神戸で一人で、おかげさまでまずまず元気にすごしています。
この映画は、私のごく幼いころから、20歳ころまでの母と私の歩みを描いた作品です。シナリオを20バージョン以上も拝見し、いろいろと感想や意見をお伝えしました。
また、母・令子役の小雪さんや智役の田中さんたちとも直接お会いして、雑談もまじえながら、点字や指点字の練習を一緒にしました。なので、私の心の中にはこの映画が鮮やかに息づいています。
実話に基づいているとはいえ映画ですので、さまざまな脚色やフィクションは当然含まれています。それでも、幼いころの義眼のエピソードや運動療法に取り組んでいた時のエピソードなど、事実に基づいていることも少なくありません。
中でも、1981年の3月のある朝、「病院に遅れるで」と、文句を言いに台所に行った私に、母が突然、両手の指で私の指に妙なことをし始めたこと、つまり、「指点字」の始まりの場面は、現実と映画がそのまま連続しているように感じました。
ただし、小雪さんは母よりも指が細く、背がずっと高い。セリフもすっきりした東京言葉で、関西のおばちゃん言葉ではない。だけど、共通点もあります。それは、「生きるパワーがある」ということです。
(C)THRONE / KARAVAN Pictures
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