30年待ち続ける……そこまで誰かを愛せますか? 田中裕子主演「千夜、一夜」90秒予告公開
2022年9月9日 11:00
ドキュメンタリー出身で、劇場デビュー作「家路」(2014)が第64回ベルリン国際映画祭パノラマ部門正式に出品された久保田直監督が、「失踪者リスト」から着想を得て、8年の歳月をかけて紡いだ物語。「いつか読書する日」「独立少年合唱団」の青木研次がオリジナル脚本を手がけている。
舞台は、北の離島の美しい港町。田中が、理由もわからぬまま突然姿を消した最愛の夫を、30年にわたり待ち続ける主人公・登美子を演じる。尾野真千子が2年前に失踪した夫を探す奈美、ダンカンが登美子に思いを寄せる漁師・春男、安藤政信が奈美の夫・洋司に扮している。
予告編は、登美子が、カセットテープに録音された若かりし日の自分と夫の初々しい会話を何度も巻き戻し、聴き入る姿からスタート。漁師の春男はそんな彼女に思いを寄せ続けるが、登美子は「人助けのために一緒になろうとか考えてるの?」と冷たく突き放されてしまう。そんな登美子のもとに、2年前に失踪した夫を探す奈美が訪れた。登美子の協力を得て、夫が「いなくなった理由」を探すも、奈美は「若松さんのように強くはなれない」と新しい人生に舵をきろうとしていた。
30年の年月が経ち、日に日に薄れてゆく夫の記憶。登美子は「腹が立ってるんですよ、自分に。あの人のこと、もう意識しないと思い出せない…!」と胸中を吐露。ある日、夜道を運転していた登美子の前に突然不審な男が飛び出してくる。さらに浜辺には不審船が漂着……。男は失踪した夫の手がかりを握っているのだろうか? そして、町中で偶然、失踪した奈美の夫・洋司を見かけたことをきっかけに、待つ女の日常は大きく波打っていく。
「若松さんは夢の中にいるのよ」と激昂する奈美、「まだ待ってるのか、あいつのことを」と必死に語りかける春男。しかし、周囲から何を言われようと、それでも頑なに待ち続ける富美子。「そこまで誰かを愛せますか?」というナレーションの言葉がズシリと響く。
「千夜、一夜」は、10月7日から東京のテアトル新宿、シネスイッチ銀座ほか全国公開。
(C)2022 映画「千夜、一夜」製作委員会
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