人気バトルアクションシリーズ「HiGH&LOW」(通称ハイロー)と、不良漫画の金字塔「クローズ」「WORST」(原作:高橋ヒロシ氏 ※高は、はしごだかが正式表記)が、奇跡のクロスオーバーを果たした映画「HiGH&LOW THE WORST」(2019)。テッペンをかけた男たちの闘い、拳でぶつかり合うなかで生まれる友情、それぞれの曲げられない信念が描かれる熱いストーリー、豪華アーティスト陣による楽曲など、強烈な世界観で熱狂的なファンを生み、大ヒットを記録した。
そんなシリーズの続編「HiGH&LOW THE WORST X」が、9月9日から公開される。タイトルにある「X」という言葉の通り、新たなキャストが数多く加わり、さらにはシリーズ史上最多の高校が登場。物語もアクションもパワーアップして帰ってきた本作について、メインキャラクター・花岡楓士雄を演じる川村壱馬(THE RAMPAGE)、楓士雄の前に立ちはだかる敵・天下井公平役で参戦した三山凌輝(BE:FIRST・RYOKI)に、話を聞いた。(取材・文/編集部、写真/間庭裕基)
三山「もともと『ハイロー』が好きで、特に前作の『HiGH&LOW THE WORST』がとても好きでした。楓士雄や司という新しい世代が、新しい風を起こしている感覚がありましたし、アクションシーンや画が魅力的で、ストーリーも分かりやすくて、どちらもクオリティが高くて素敵な作品だな、というのが最初の印象です。あまり同じ映画を何度も見返すことはないんですが、『HiGH&LOW THE WORST』は見ていて気持ちが良いし、お芝居も素敵で、繰り返し見る唯一の映画になりました」
川村「もちろんです! 『HiGH&LOW THE WORST』自体が、『クローズ』『WORST』とコラボしている作品。楓士雄は、(高橋)ヒロシ先生が生んでくださったキャラクターです。僕はもともと『クローズ』『WORST』は大好きで、がっつり全部読んでいたんですが、そこに出てくる坊屋春道や月島花というキャラクターたちは、かなり天真爛漫で、ぶっ飛んでいるんですよね。『ザ・高橋ヒロシ先生の漫画の主人公』という感じ。楓士雄もそういう部分が共通しているので、原作ファンとして嬉しかったです」
平沼紀久監督は、「HiGH&LOW」というタイトルに込めた意味を語っている。「大事なのは他人との比較じゃなく、自分自身が上を向いて生きるか、俯いてしまうかだと思うんです」。「上とか下とか関係なくねぇか?」といい、腕比べをして仲間と熱い思いを交わす楓士雄。「人間は皆、ヒエラルキーの世界で生きる定め。俺は上に立つ男だ」と言い放ち、全てを支配下に置こうとする天下井。真反対のふたりの信念がぶつかり合い、火花を散らす。そしてキャラクター同様、メインキャラクターとしてシリーズを背負い、全身全霊で役を全うした川村の覚悟と、憧れ続けた世界のなかで、圧倒的な存在感を見せた三山の熱がぶつかり合い、「HiGH&LOW THE WORST X」の世界に、新しい風を吹き込んでいる。