全編90分ワンショットの「ボイリング・ポイント 沸騰」 監督が明かす舞台裏、コロナ禍ならではの苦労も
2022年7月15日 14:00

全編90分ワンショットに挑んだ「ボイリング・ポイント 沸騰」が、7月15日から公開された。メガホンをとったフィリップ・バランティーニ監督がオンライン取材に応じ、緊張感あふれる本作の舞台裏を明かした。

1年で最もにぎわうクリスマス前の金曜日。ロンドンにある人気高級レストランのオーナーシェフのアンディ(スティーブン・グレアム)は、妻子との別居や衛生管理検査で評価を下げられるなど、さまざまなトラブルに見舞われて疲れ切っていた。アンディは気を取り直して店をオープンさせるが、あまりの予約の多さにスタッフたちは一触即発状態に。そんななか、アンディのライバルシェフが有名なグルメ評論家を連れて突然来店し、脅迫まがいの取引を持ちかけてくるが……。
ノー編集・ノーCGならではの緊張感あふれる映像が特徴だが、レストランの労働環境の過酷さ、人間関係をリアルに描くドラマ部分も見どころのひとつ。バランティーニ監督は、自身の飲食業界での経験を反映して本作を作り上げたという。
「ロンドンのレストランで12年間、マンチェスターで3年間仕事をしていました。自分の見てきたことや経験を細かく、あらゆる部分に反映しています。ただ、人種差別問題については、自分は白人で経験していないのでリサーチをしました。アンドレア役のローリン・アジュフォと4、5時間いろいろ話し、毎日どういうことを経験しているのか、家族がどういう経験をしているのかを聞きました。自分が個人的に経験したことや、友達と話をしたりして、毎日起こっている社会的な問題を正しく描きたいと思いました」

本作の基となる短編映画「BoilingPoint」の撮影からすでにワンショットに挑んでおり、その理由については「リアリスティックで、速いペースの会話が重なるようなスタイルで作品作り」をするためだったそう。
「当初は、ワンショットで撮った20分の短編を長編の冒頭にする予定でした。そして、残りのシーンを普通の手法で撮ろうと考えて脚本を書いていたのですが、あまり盛り上がらなかった。本作では、ワンショットだった?と目を離せない作品を作りたかったのです。なぜなら、レストランとはそういう現場だからです」

現場の緊張感は相当なものだったと予想できるが、「アクションを言ってしまうと、私はモニターを見ているだけで、観客に徹しているんです。さえぎらないようにすることは一番気を付けた点でした」と明かし、現場ではコロナ禍ならではの苦労もあった。
「最初は8回撮影をする予定でした。1日目の夜に2回撮った後、これがリハーサルであと6回あるという気持ちでいたらプロデューサーから電話がきて、『明日で終わり、明後日からロックダウンになる』と知らされました。本当に緊張する瞬間でした。すごく大変なことで、次の日に2テイクを撮りましたが、今までの人生で一番ストレスの高い出来事でした」
アンディ役のスティーブン・グレアムとは長い付き合いだといい、「良い友人です」とにっこり。「ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ」「アイリッシュマン」などで活躍するグレアムについて、「上下関係を気にしない人で、自分はトレーラーが欲しいとも言わず、みんな仲間だと言うような人です。それってあれほどのレベルの俳優さんではとても珍しいんです。有名な俳優で実力もあり、あれほどのレベルの人が現場に来ると『スティーブン・グレアムが来た』とみんな固くなってしまいますが、彼はそれを和らげてくれます。美しい魂を持った美しい人であり、すごく情熱的。いろんなアイデアも持っていて、とても賢く優秀な役者です」と人柄を称えていた。
(C)MMXX Ascendant Films Limited
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