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2005年製作で「Rotten Tomatoes」100%をキープ 父の理想、同性に惹かれる内面の狭間で葛藤する青年を描く「C.R.A.Z.Y.」予告

2022年5月31日 11:00

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2021年12月に逝去したジャン=マルク・バレ監督作
2021年12月に逝去したジャン=マルク・バレ監督作

第86回アカデミー賞で3冠に輝いた「ダラス・バイヤーズクラブ」で知られ、2021年12月に逝去したジャン=マルク・バレ監督の「C.R.A.Z.Y.」(2005)の予告編がお披露目。5人兄弟の4男として育ち、「男らしくあれ」と語る父の理想を体現したいという切実な思いから、同性に惹かれていく自身の内面を否定し続けてきた主人公ザック(マルク=アンドレ・グロンダン)の葛藤が映し出されている。

本作は、デビッド・ボウイ、「ピンク・フロイド」、「ローリング・ストーンズ」、パッツィー・クラインなど1960年~70年代を彩る名曲とともに、保守的な家庭で育った青年のアイデンティティ確立までの旅路を描く物語。バレ監督が「深く感銘を受けた」と語る、脚本のフランソワ・ブレの家族構成や実体験をもとに、カナダ・ケベックの中流家庭で育った自身の体験も反映してストーリーを作り上げた。

バレ監督は生前、「一生に一本でいい、こんな映画を作りたい、作らなければと思う映画に出会うことがある。『C.R.A.Z.Y.』も、そんな映画の一本であると思いたい」と語っている。第28回トロント国際映画祭で最優秀カナダ映画賞を受賞し、05年の作品でありながら、米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では100%(5月30日時点)のハイスコアをキープしている。

画像2

予告編は、60年の12月25日に誕生したザックと家族をとらえたシーンでスタート。兄が伸ばした手によって、父ジェルヴェ(ミシェル・コテ)の腕からザックが落下していくショッキングなカットと、「物心ついたころからクリスマスが嫌いだった」という彼の独白が切り取られている。成長するにつれ、父の理想の息子でいられなくなっていくザックと、「ザックは変わっちまった」と嘆く父。軍で働き音楽を愛する、“世界一の父”の望む姿でありたいという願望、それに抗う衝動のなかで、「普通になりたい」と呟く彼の行く末が気になる映像となっている。

C.R.A.Z.Y.」は、7月29日から東京の新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで公開。PG12指定。

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