アウシュビッツ強制収容所でリングに立ち続けたボクサーの知られざる実話 7月22日公開&ポスター完成
2022年4月28日 08:00
第二次世界大戦下、アウシュビッツ強制収容所から生き延びたボクサーの知られざる実話を映画化した「Mistrz(原題)」が、「アウシュヴィッツのチャンピオン」の邦題で、7月22日から公開されることがわかった。
第二次世界大戦中の1940年、アウシュビッツ強制収容所に移送される人々のなかに、戦前のワルシャワで“テディ”の愛称で親しまれたボクシングチャンピオン、タデウシュ・ピトロシュコスキの姿があった。彼には「77番」という“名”が与えられ、左腕には囚人番号の入れ墨が刻まれた。寝床や十分な食事を与えられることなく、過酷な労働に従事させられていたある日、司令官たちの娯楽としてリングに立たされることになる。
本作は、アウシュビッツで司令官や看守の娯楽として消費される葛藤を抱えながらも、生き延びることを諦めずにリングに立ち続けた、ひとりのボクサーの姿を描いたヒューマンドラマ。モデルとなった実在のボクサー、タデウシュ・“テディ”・ピトロシュコスキは、看守やカポ(囚人のなかの統率者)を相手に数十戦の勝利をおさめ、囚人仲間にとっては、ナチスの恐怖を打ち破り生き残るための希望の象徴だったという。元囚人たちの証言や本人の記憶をもとに、世界を震撼させた“悪”を描くだけではなく、それに対抗する“希望”を描き出す。
主演は、「イレブン・ミニッツ」「ダーク・クライム」など、60本近くのポーランド映画に出演し、「Bogowie(原題)」で、イーグル賞の助演男優賞を獲得したピョートル・グロバツキ。屈強な肉体と不屈の精神を兼ね備えたボクシングチャンピオンを演じるため、クランクインの数カ月前からトレーニングを重ね、肉体改造に成功した。スタントマンなしで過酷な撮影に挑み、死の淵に立ちながらも生きることへの闘志と尊厳を保ち続けた男を力強く演じた。
監督を務めたのは、ポーランド出身でホロコースト生存者の孫でもあるマチェイ・バルチェフスキ。“ホラーの帝王”スティーブン・キングの物語を映画化した短編デビュー作「My Pretty Pony(原題)」(2017)は、ロサンゼルス映画批評家協会賞をはじめとする数々の賞を受賞した。そして長編デビュー作となる本作で、2020年にポーランドで最も権威のあるグディニャ映画祭の金獅子賞(最優秀作品賞)に輝き、22年に同国のアカデミー賞とされるイーグル賞で4部門(撮影賞、美術賞、メイクアップ賞、主演男優賞)を制覇。バルチェフスキ監督は、以下の通りコメントを寄せた。
バルチェフスキ監督「人間の歴史のなかで最悪な条件下で彼が戦い、そして勝利したという事実は、乗り越えられない障害はないという希望を私たちに与えてくれます。私たちは皆、それぞれのリングに立つ戦士なのです。希望が全て消えそうになり、最悪の状況に陥ったとしても、前を向いて戦い続けることの大切さを思い出させてくれます」
ポスターには、囚人仲間が見守るなかミットを構えるテディや、銃を構える司令官が切り取られている。
「アウシュヴィッツのチャンピオン」は、7月22日から東京の新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開。
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