【NY発コラム】ウィル・スミスの平手打ち事件、日本とアメリカでは何故反応が異なる? ニューヨーク在住の記者が理由を解説
2022年4月13日 22:00
ニューヨークで注目されている映画・ドラマとは? 現地在住のライター・細木信宏が、スタッフやキャストのインタビュー、イベント取材を通じて、日本未公開作品や良質な独立系映画を紹介していきます。
3月27日(現地時間)に開催された第94回アカデミー賞授賞式。それ以降の数週間、世界はこの話題で持ち切りでした。そう、授賞式で起きた前代未聞の事件です。
長編ドキュメンタリー賞のプレゼンターとして参加したクリス・ロックが、ウィル・スミスの妻ジェイダ・ピンケット・スミスの髪型を題材にしたジョークを披露。すると、ウィル・スミスが舞台にあがり、ロックに平手打ちをお見舞いした……。
この騒動を取りあげたニュースへのコメント欄を見ていると、日本とアメリカでは「人々の反応が異なる」ということがわかりました。なぜ、こんなにも温度差があるのでしょうか? 私は長年、ニューヨークで暮らし、映画記者として15年間活動を行ってきました。今回は、現地での体感、アメリカのメディアから得た情報を通じて、事件を分析してみたいと思います。
まずは、クリス・ロックのジョークを説明するうえで、アメリカのトーク番組について語りましょう。「ザ・トゥナイト・ショー」「レイト×2ショー with ジェームズ・コーデン」「ジミー・キンメル・ライブ!」「ザ・コルベア・レポート」の冒頭では、コメディアンたちが、俳優を含めたセレブ、政治家たちに痛烈なジョークを飛ばしています(海外の人々が見たら、笑えないものも多数あり)。「サタデー・ナイト・ライブ」では、ハリウッドで活躍する俳優たちが、同番組のレギュラーコメディアンとともにコントに参加。このような辛辣なジョークやコントが、コメディアンとして腕の見せ所となっており、アメリカではそれがお茶の間で親しまれてきたという歴史があります。
そんなコメディのひとつの形態としてあるのが「ロースト」という笑いです。これは、ゲスト(対象者)の人生に起こったさまざまな出来事を、誇れる部分だけでなく、欠点も含めて、ジョークとして笑いにするもの。肝心なのは、批判や辛らつなジョークに対して、対象者が怒らずに、快く受け入れられるかどうかということ。批判やジョークの対象に選ばれていること自体が、成功者、あるいはひとかどの人物だという証なんです。つまり、それを受け入れられるかどうかの“度量”が試されている。そのようなコメディの文化があり、特に「ロースト」は長年受容されてきました。
「ロースト」を披露する場としての頂点であり、コメディアンにとって最も名誉なこと――それがアカデミー賞授賞式の司会者を務めることです。世界中の映画人、セレブたちが集う場で、どのように「ロースト」で笑わせることができるのか……コメディアンとしての技量が試されることになります。プレゼンターとして参加したクリス・ロックは、第88回アカデミー賞(2016年)では司会者を務めた人物。彼は、アメリカにおいて最も辛らつでエッジの効いたジョークを飛ばし、人種問題もネタにしてきたコメディアンです。
そんなクリス・ロックが、ジェイダ・ピンケット・スミスへ放ったジョークは「『G.I.ジェーン2』が待ち切れないよ」というもの。「G.I.ジェーン」は、海軍特殊部隊の女性兵士オニール(オニール)が、男性の兵士と互角に張り合うために坊主頭にするというシーンが話題となった作品です。ジェイダ・ピンケット・スミスは、4年前に脱毛症を公表し、現在では公の場にも姿を現しています。このジョークに対して、ウィル・スミスが激怒し、クリス・ロックを平手打ち。さらに放送禁止用語を交えて「妻の名前を口にするな!」と怒鳴りました。
この件について、日本では「暴力はいけないが、ウィルは妻を守っただけだ」「“言葉の暴力”を使ったクリスは、何故罰せられないんだ」という意見が見受けられました。
アメリカとの“価値観の違い”を語るためには、数年前にさかのぼらないといけません。何故なら、2017年頃から起きた「#MeToo」ムーブメント以降の映画業界の背景が大きく関わってるからです。ハリウッドの大物プロデューサーだったハーヴェイ・ワインスタインらを訴えた「#MeTooムーブメント」。これ以降のハリウッドでは、性的虐待、セクハラに関して対応する機関を設置するだけでなく、オフィスでの振る舞い、悪質な性的な嫌がらせを徹底的に排除する傾向になりました。
さらに「Toxic Masculinity(有害な男らしさ)」を毛嫌いする女性が増え、男性が社会的に優位であるという伝統的なステレオタイプを排除するような動きが主流になっていきました。具体的な例として挙げられるのは、「アベンジャーズ」の監督を務めたジョス・ウェドン。撮影現場での横暴な振る舞いは「Toxic Masculinity」の典型でした。ウェドン監督はここ数年間、自身が製作したテレビシリーズ「The Nevers」しかメガホンをとっていません。
さて、この件を踏まえて、今回の事件に話題を戻しましょう。いかなる理由があるにせよ、暴力は絶対にいけない。日本にいる皆さんも、その点はしっかり理解されているでしょう。アメリカでは、このような視点が加わっています。
ジェイダ・ピンケット・スミスは、長年ハリウッドの第一線で活躍し、今ではFacebookでのトーク番組「Red Talk Table」を持っています。つまり「自身の言葉で主張してきた強い女性」なのです。「だからこそ、ウィル・スミスは暴力をふるい、授賞式を壊してまで、ジェイダ・ピンケット・スミスを守る必要があったのか? 彼女自身は強い女性。自ら対応できるはず」という見解を持つアメリカ人は多かったんです。
さらに「妻を守る行為」こそが、アメリカで毛嫌いされている「Toxic Masculinity」の象徴としてとらえた人々も非常に多かったです。つまり「Toxic Masculinity」は排除すべきこととして、映画界だけでなく、一般の人々にも浸透し、認識されているんです。ここが、日本との価値観の相違のひとつかもしれません。
次にジョークの内容について。クリス・ロックは、長年にわたり、セレブや政治家、さまざまな社会の出来事をジョークに変え、スミス夫妻には、第88回アカデミー賞の場でも辛らつなジョークを飛ばしています。そんな彼が、ジェイダの脱毛症を知らなかった? 私には到底信じられませんが、クリス・ロックの弟ケニーによれば「知らなかった」そうなんです。
では、事実を承知の上でのジョークだったとしましょう。ハリウッドの伝統的な賞シーズンの授賞式では、そのジョークを受け入れることが求められます。俳優陣の度量が試される――これはアカデミー賞の授賞式に限ったことではありません。ゴールデン・グローブ賞、SAG賞、米映画製作者組合賞、米映画監督組合賞……毎年行われる授賞式では、さまざまなコメディアンが司会に立ち、ハリウッドの俳優陣に対して、時には厳しいジョークを放つ。何かと優遇されることが多いハリウッドの人々を面白おかしく叩くことで、会場を盛り上げる。アメリカでは、このような形式がずっと続いてきました。
クリス・ロックのジョークは、本当に脱毛症のことを知らなくても、結果的にはジェイダ・ピンケット・スミスを侮辱するもの。「これは“言葉の暴力”である」と考える方々は多いはず。もちろん、私自身もその意見に同意します。暴力のきっかけとなった発言が問題視されないということは間違っていると思っています。
しかし、アカデミー賞の授賞式は、俳優だけでなく、スタッフ、映画界自体を讃える場です。そのような場での暴力というのはあり得ない行為。オスカーを手にした受賞者たちの評価をかすめてしまうほど、大きな事件となってしまいました。
非常に複雑なポイントがあります。今後、クリス・ロックがジョークに関する謝罪を行った場合です。こうなると、アメリカでは「ウィル・スミスの暴力行為を受け入れた」と解釈され、クリス・ロック自身が批判の的となる可能性があるんです。
ちなみに、今回のジョークは、アカデミー側が用意したものではなく、クリス・ロックが即興的に披露したもの。アカデミー賞の授賞式では、コメディアンがアドリブを行うというのは日常茶飯事のこと。特に目新しさはありません。
「このような人物を雇った映画芸術科学アカデミーの責任も問われるべきではないか?」と考える方もいるでしょう。この点に関しては、クリス・ロックの謝罪に関する“可能性”と同様。アカデミー側が、起用したクリス・ロックのジョークについて責任を感じ、謝罪を行えば、ウィル・スミスの暴力を認めることになる。やはり「暴力行為を受け入れた」と解釈され、アメリカの人々はアカデミーを徹底的に批判するでしょう。
今回の騒動後、映画芸術科学アカデミーは「(アカデミー賞授賞式は)私たちの(映画)コミュニティの人々へのすばらしい仕事を祝福する場でした。しかし、それがミスター・スミスによる受け入れ難く、有害な振る舞いによって、影を薄めることになった」と声明文を発表。そして、ウィル・スミスに対して、授賞式を含むアカデミーの関連イベントへの出席を「10年間禁止する」という処分を行いました。クリス・ロックも、アカデミーも、今回の事件に関しては前述の通り、ウィル・スミスを擁護するような行為、発言はできないということです。
大きな問題となったのは、事件の直後、ウィル・スミスをすぐに会場から退出させなかったこと。まずは、アカデミー賞主催者側がウィル・スミスの広報担当者に退出を告げています。続けて、授賞式のプロデューサー、ウィル・パッカーが、クリス・ロックの意見を聞き入れ、退出が取りやめに。ウィル・スミスがクリス・ロックに謝罪を行うと思っていたパッカー。しかし、ウィル・スミスはスピーチ登壇時にも謝罪を行いませんでした(クリス・ロック側は「ウィル・スミスを退出させるかどうかは言及していない」として、意見の相違があります)。
自己防衛的な受賞スピーチも問題になりました。ウィル・スミスは、主演男優賞を獲得した「ドリームプラン」の女優陣を引き合いに出し「彼女たちを守る必要があった」と語っています。アメリカ人の間では「それは彼女たちを利用し、自分自身をよく見せようとする行為だ」と捉えられていました。
これまで黒人の間では、良き指導者として多くの人々から敬意を払われてきたウィル・スミス。そんな彼が辛らつなジョークに反応して、発言した者を殴り、その行為をスーパーヒーローのようにスピーチで正当化する――人々からは「子どもたちが、そんな幼稚な行為を真似したら、どうなるのか考えてみるべきだ」という意見もありました。
最も悲劇的だったのは、息子のジェイデン・スミスが「それが、我々のやりかた」と父親を擁護したことです。これがウィル・スミスの印象を、よりマイナスへと向かわせてしまいました。そのうえ、黒人コミュニティ、黒人のアカデミー会員からは「『黒人は怒りを覚えると、暴力をふるう傾向があり、感情をコントロールする能力が低い』というイメージを、人々に植え付けてしまったのではないか?」と懸念する声も。彼らを阻害するような可能性が出てしまったことも、ウィル・スミスへの風当たりが強くなった要因でした。
その一方で、クリス・ロックは平手打ちをくらった後も、ジョークを繰り出し、長編ドキュメンタリー賞の受賞者を発表しました。誰もが認識しておかなければいけないのは、今回のケースは間違いなく“傷害事件”だということです。クリス・ロックが、あの場に居合わせたロサンゼルス警察に「(ウィル・スミスを)逮捕してくれ」と申し出ていたら、より大きな事件へと発展していました。実際のところは「ことを大きくしたくない」と告げたようで、逮捕には至りませんでした。もしかしたら“ウィル・スミスを怒らせた”ことへの申し訳のなさがあるのかもしれません。しかし、前述の通り、その気持ちさえも簡単に表明することはできません。
ウィル・スミスの行為は「ロースト」を脅かすものでもありました。「ジョークを切り出す度に、暴力を受ける可能性も視野に入れなければいけないのか……」とコメディアンたちを疑心暗鬼にさせてしまった。アメリカでは“コメディアンへの侮辱”ととらえる人ももいました。今後、アカデミー賞ではジョークの見直しが検討されるかもしれません。しかし、表現の自由を尊重するアメリカにおいて、長く受け入れられてきた「ロースト」を変えることは、現実的に難しいと感じています。
第94回アカデミー賞では、上記の事件だけでなく、「カテゴリー8部門をテレビ放映前にテーピングし、編集したものを流す」という暴挙が行われました。これは、スピルバーグ監督を含めた大勢のハリウッド関係者から批判されています。今回の騒動によって、授賞式の全米視聴者数は1660万人を記録し、史上最低を記録した前年度の1050万人から大幅アップとなりました。しかし、この記録は下から2番目。芳しくない視聴率が続いています。果たしてウィル・スミスを処罰するだけでいいのか。事件の発端となったクリス・ロックのジョークにもメスを入れなければならないのか。映画芸術科学アカデミーの今後の対応が問われています。
もちろん、暴力を認めることになってしまうので、アカデミー側がジョークの“テコ入れ”を公の場で発表したり、クリス・ロックのことを悪く言うようなことはないはず。ただ重要なことは、第79回ゴールデングローブ賞のような事態もあり得るということ(2021年2月、ロサンゼルス・タイムズ紙が同賞を投票するハリウッド外国人記者協会に黒人会員がいないと報じたことをきっかけに、NetflixやAmazonなどのプラットフォームや、有名タレントたちによるボイコット運動に発展)。ノミネートされた俳優やスタッフが参加しなければ、授賞式が成立しないということを、アカデミー側も認識しなければいけないでしょう。クリス・ロックに何のお咎めもなかったとしたら……。アメリカの映画業界にも、彼のジョークに対して、批判的な人はいます。そんな人々が、次回の授賞式をボイコットする可能性も考えられますし、そうなると視聴率はさらに低下してしまうでしょう。
ウィル・スミスは、授賞式を含むアカデミーの関連イベントへの出席を10年間禁止されましたが「アカデミー賞へのノミネート」「オスカーの受賞」は可能です。ということは“10年間の出禁”は、さほど問題ないようにも思えます。彼は、日頃から人々にフレンドリーに接し、多くの映画関係者に親しまれてきました。今回の出来事だけで、“今後”が判断されるとは思えません。人々の心を揺さぶるような素晴らしい演技を、これからも期待しています。
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