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【「スパークス・ブラザーズ」評論】SPARKS A GO-GO!! 半世紀を超える音楽の旅路、その先に生まれる親密な関係

2022年4月3日 20:30

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「スパークス・ブラザーズ」
「スパークス・ブラザーズ」
(C)2021 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVED

いつになったらシナトラみたいになれる
 “マイ・ウェイ”を歌えるようになるのはいつのこと…

これはスパークス16枚目のアルバム「Gratuitous Sax & Senseless Violins」に収められた「WHEN DO I GET TO SING “MY WAY”」の歌詩だ。結論から言おう。スパークスに“マイ・ウェイ”は歌えない。否、彼らはこの曲を演ることはないだろう。その理由はエドガー・ライト初の音楽ドキュメンタリーを観れば一目瞭然だ。

1972年にデビューしたスパークスは、50年で25枚のアルバム(※撮影時)をリリースしている。アメリカ西海岸からイギリスへと渡りスマッシュヒットを連発。母国に戻った後、ドイツで大ヒットを飛ばしたかと思えば、フランスで音楽賞の授賞式に現れる。神出鬼没なふたりは、音楽ジャンルにも、活動フィールドにもボーターを作らない。

米カリフォルニア州に生まれ、学生時代はスポーツに励んだ。幼い頃から母にピアノを習わされた兄ロンは作曲スキルを身につけ、アメフト少年で端整な顔立ちの弟ラッセルは歌うことに長けていた。1965年には、母の運転する車でラスヴェガスへと向かいビートルズのライヴを体験している。しかも2回! 音楽に目覚めたふたりがバンドを始めるのは時間の問題だった。

映画との相性も抜群だ。大学はジム・モリソンやコッポラも学んだUCLAに進む。ヌーヴェルバークの洗礼を受け、ゴダールを模したショートフィルムを制作。スパークスの前身ハーフネルソンのバンド名を変えた時はマルクス兄弟にちなんだ。日本の漫画を原作にしたティム・バートンとのプロジェクトは6年を費やすも頓挫。直近ではレオス・カラックス監督作「アネット」(2021)の原案と音楽を担当し、オープニングシーンに登場している。

エドガー・ライトのスパークス・ファン歴は、BBCで「ナンバー・ワン・ソング・イン・ヘヴン」を歌う姿を見た1979年に遡る。90年代半ばに「WHEN DO I GET TO SING “MY WAY”」を演奏するスパークスを目にしたライトは大きな疑問を抱く。同じバンドだとは思えなかったのだ。

出会いから40余年、SNSでコンタクトしたライトは、2年の歳月を費やして予備知識ゼロで楽しめる映画を仕上げた。スパークスの軌跡をたどるフッテージを散りばめ、約80人の著名ミュージシャンとファンに自らがインタビューした映像は質感の高いモノクロを選択、アニメも使って謎めいたスパークスの魅力を紐解く。極めつけは、半世紀を超える音楽の旅路の先でふたりとの親密な関係で結ばれること。思わず“SPARKS A GO-GO!!” と叫び出したくなる粋な演出が冴えている。

決して過去を振り返らない。ヒット曲でライヴを締めるなんてダサいことはやらない。浮き沈みもなんのその、我が道を行く音楽の求道者スパークス。ロンとラッセルが生み出すサウンドはこれからもずっと“煌めき”続ける。

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