オスカー3部門ノミネート アフガニスタンからの脱出を語る青年を描く、アニメーションで制作されたドキュメンタリー「FLEE」特報&ビジュアル公開
2022年3月24日 12:00
第94回アカデミー賞で史上初めて国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー賞、長編アニメーション賞の3部門ノミネートを果たした「FLEE フリー」の公開日が、6月10日に決定。あわせて、特報映像とティザービジュアルが披露された。
本作は、20年の時を経て祖国アフガニスタンからの脱出を語る青年の姿をとらえたドキュメンタリー。登場人物の安全を守るためにアニメーションで制作されている。監督は自身も迫害から逃れるためにロシアを離れたユダヤ系移民であるヨナス・ポヘール・ラスムセン。
父がタリバンに連行されたまま戻ることがなかったアミンは、残された家族とともに生まれ育ったアフガニスタンから脱出した。やがて家族とも離れ離れとなったアミンは、数年後たった1人でデンマークへと亡命する。30代半ばとなり、研究者として成功を収め、恋人の男性と結婚を果たそうとしていたアミンだったが、彼には恋人にも話していない20年以上も心に抱え続けていた秘密があった。親友である映画監督の前で、アミンは自身の過酷な半生を静かに語り始める。
アカデミー賞のほか、アヌシー国際アニメーション映画祭では最高賞となるクリスタル賞ほか3部門を受賞。ドキュメンタリー、アニメーションという表現の垣根を越えてジャンル横断的に高い評価を受け、3月18日現在、各国の映画祭で76受賞140部門ノミネートという圧倒的な評価を獲得している。
特報映像は、主人公アミンの親友である映画監督(ラスムセン)が、アミンに向かって「誰かに話したことは?」という問いに対し、アミンが「一度もない」と答えるシーンから始まる。アミンが誰にも明かしたことのなかった自身の過去を、20年の時を経て初めて語り始める様子と、その言葉により回想される幼少期からの余りに過酷な経験を捉えていく。アミンの複雑な感情をより忠実な形で伝えるために、本作ではシーンに応じて2つの全く異なるスタイルのアニメーションが使われ、ニュース映像など実際の映像も挿入されている。
これまで数々のラジオ・ドキュメンタリーを手掛けてきたラスムセン監督は、独創性に溢れるスタイルで本作を作り上げたことについて、「私的な物語を語る過程で、私は常に新しい方法や新しいアプローチを探求しようと心がけています。語られる物語に沿うように、映画の形式を捻じ曲げる方法を探るのです。『FLEE フリー』では、そのレパートリーにアニメーションを加えました。アミンが惜しみなく私に共有してくれた、貴重な証言にふさわしい舞台を与えられるよう、説得力があり、魅力的な語り口を作ることを目指したのです」と語る。アカデミー賞授賞式を控えて行われたインタビューでは「この物語は、過去やセクシュアリティも含め、自分が誰なのか。それを知ることのできる場所を見つける、一人の人間の物語なのです」とコメントしている。
「FLEE フリー」は、6月10日から新宿バルト9、グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国公開。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
ザ・ルーム・ネクスト・ドア
【魂に効く珠玉の衝撃作】「私が死ぬとき、隣の部屋にいて」――あなたならどうする?
提供:ワーナー・ブラザース映画
キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド
【本作は観るべきか、否か?】独自調査で判明、新「アベンジャーズ」と関係するかもしれない6の事件
提供:ディズニー
セプテンバー5
【“史上最悪”の事件を、全世界に生放送】こんな映像、観ていいのか…!? 不適切報道では…?衝撃実話
提供:東和ピクチャーズ
君の忘れ方
【結婚間近の恋人が、事故で死んだ】大切な人を失った悲しみと、どう向き合えばいいのか?
提供:ラビットハウス
海の沈黙
【命を燃やす“狂気めいた演技”に、言葉を失う】鬼気迫る、直視できない壮絶さに、我を忘れる
提供:JCOM株式会社
サンセット・サンライズ
【面白さハンパねえ!】菅田将暉×岸善幸監督×宮藤官九郎! 抱腹絶倒、空腹爆裂の激推し作!
提供:ワーナー・ブラザース映画
激しく、心を揺さぶる超良作
【開始20分で“涙腺決壊”】脳がバグる映像美、極限の臨場感にド肝を抜かれた
提供:ディズニー