小澤征悦&梶裕貴、「キングスマン」最新作の魅力は? “父子”を演じた2人が語る

2021年12月26日 14:00


「キングスマン ファースト・エージェント」は公開中
「キングスマン ファースト・エージェント」は公開中

表の顔は高貴なる英国紳士、裏の顔は世界最強のスパイ組織の活躍を描く人気シリーズ最新作「キングスマン ファースト・エージェント」(公開中)で、日本語吹替版声優を務める小澤征悦梶裕貴。映画ファンが公開を待ち望んだ本作について、ストーリーやキャラクターの魅力を2人に聞いた。

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世界を混沌に陥れようとする闇の狂団によって大戦が勃発し、人類破滅へのタイムリミットが迫るなか、キングスマン創設に関わるオックスフォード公(レイフ・ファインズ)、そして彼の息子コンラッド(ハリス・ディキンソン)と仲間たちが立ち上がる。

それぞれオーディションを経て役に決まり、小澤が高貴なる英国紳士のオックスフォード公、梶が正義に燃える若き紳士コンラッドを担当。「キングスマン」らしさあふれるアクションシーンのほか、父子の関係性のドラマも見どころの一つとなっている。

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――これまでの「キングスマン」シリーズにはどんな印象を持たれていましたか? また、本作をご覧になった感想を教えてください。

小澤:オーディションを受ける前から前2作は見ていました。スピード感があって、イギリスならではのダークな笑いもある作品です。今回は始まりの物語なので役者も変わっていますが、全体を通して「キングスマン」らしい統一感があります。前作に勝るアクションをしていますし、第一次世界大戦にまつわるストーリーなので、史実上の複雑な部分はありますが、そこをうまく映画に落とし込んでいて、もしかして本当に「キングスマン」という組織がいたのではと感じさせる。なにより、マシュー・ボーン監督の力は今回も大きいです。字幕でももちろん面白いですが、字幕を見てから吹き替え版を見たら、より内容が理解できて面白いと思います。

梶:本シリーズは“英国紳士”と“スパイアクション”という異色の組み合わせが、足し算ではなく掛け算として、見事にハマっているエンターテインメント作品だなという印象があります。初めて観たときは興奮しましたね!前2作では、主人公・ハリーとエグジーが世代や価値観を超えて、バディとして完成された関係性になっていくドラマにカタルシスを感じました。今作の吹き替え版については、日本語ならではの面白さ、それからストーリーの理解のしやすさを強く感じていただけるかと。

加えて、あくまで私事ではあるのですが……実はこの「キングスマン・ファーストエージェント」でのコンラッド役は、自分にとって、洋画作品のオーディションで初めて合格した役なんです。吹き替えの仕事自体は新人の頃からやらせていただいているのですが、これまで全国公開されるような規模での作品で重要な役どころは担当したことがなくて。なので、そういった意味でも本作の公開が本当に嬉しいんです。コロナ禍での度重なる延期を経て、ようやく試写を観られたときは、やはり非常に感慨深いものを感じましたね。

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――重要な役どころが初めてというのは意外です。梶さんにとって、洋画の吹き替え作品は特別な思いがあるのでしょうか。

梶:洋画の吹き替えには、アニメ作品とはまた違った楽しさや難しさ、喜びがあるなと感じています。父親が映画好きだったので、子どもの頃よく一緒に、テレビ放送される吹き替え版を見ていたんですよね。当時抱いていたワクワクドキドキする気持ちは、今も変わらず自分の中にあります。大人になり声優となった今、今度は自分が、子どもたちに希望や感動を与えられる作品づくりをしていけたらなと思っています。

――お2人の収録は別々だったとお聞きしました。お互いのシーンを見ていかがでしたか?

梶:オックスフォード公の威厳ある品格や凛とした雰囲気を、声とお芝居から感じるのはもちろんのこと、それだけじゃないのがこのキャラクターの魅力。少しお茶目なところやクレイジーなところも、絶妙なさじ加減で表現されているなと感動しました。小澤さんご自身も、どしっと構えているところもあれば、率先して場を盛り上げてくださるようなところもあるお方。どこかオックスフォード公と共通するイメージがあったんですよね。なので、そういったキャラクターとのシンクロニシティーが、より役柄の魅力を引き出すトリガーになっていたのかなと感じましたね。小澤さんもオーディションを受けられての配役だと伺いましたが、本当にぴったりだなと!

小澤:ありがとうございます、嬉しいです。梶さんはプロの方なので当たり前なのですが、作品を見ているとコンラッドのときは声が“立っている”と思いました。聞こえ方がしっかりしていて、言葉の意味がちゃんと入ってくるので改めてすごいなと。身体を動かして芝居をするのも難しいですが、声だけの芝居も難しいので、今回は本当に勉強になりました。

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――複雑な思いを抱えたオックスフォード公を演じたレイフ・ファインズさんが印象に残りました。「イングリッシュ・ペイシェント」や「ハリー・ポッター」シリーズのヴォルデモート卿などで知られていますが、小澤さんは役者としてどんなイメージをお持ちでしたか?

小澤:素晴らしい役者さんで、人間としての品がすごくあるなと思いました。役者としては、今までいろんな役をやられてきて、一回りしたような余裕も感じます。彼自身が本来持っている品がオックスフォード公にぴったりだなと声をあてていても思いました。繊細な芝居もいいですよね。

僕より少し年齢が上なので、レイフ・ファインズさんに合わせて今回は声を低めに調節しています。それでも最初の何分かは自分の声だと気にはなっていましたが、段々ストーリーにのめり込んでいって慣れていったので、監督や編集の方々のおかげだなと感謝しています。

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――劇中では、お互いを思い合っているからこそ対立してしまう父子関係が描かれます。それぞれ、共感できる部分はありましたか?

小澤:自分のやりたいことにまい進するコンラッドの気持ちはよくわかりますが、今僕は47歳なので、無償の愛のようなオックスフォード公の親父目線もよくわかります。ただ、オックスフォード公は子どもを愛しているがゆえに強く否定してしまって、表現がもったいないなとも思います。映画ではいろいろあって、父子の愛のすれ違いと愛情の深さ、そして痛さもしっかり描かれているので、そこも本作の魅力の一つです。

梶:コンラッドは、正義感あふれる心優しい青年。国を思い、平和を願う気持ちがとても強い人物です。ですが若さ故に、その熱い思いを制御できないところもあって。たびたびオックスフォード公とぶつかってしまう描写も登場します。でも、それはお互いを思い合っているからこそ。大切な存在だからこそ、自分にできるベストを尽くさねば気が済まない部分があるのでしょう。僕も子どものころは特に、父に憧れる気持ちと、それを上回る“だからこそ負けたくない”、そして“追いつきたい、追い越したい”という思いが強くありました。なので、コンラッドの気持ちは痛いほど理解できましたね。

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