第15回田辺・弁慶映画祭 淺雄望監督「ミューズは溺れない」がグランプリ、田中大貴監督「PARALLEL」が映画.com賞受賞
2021年11月22日 17:00

第15回田辺・弁慶映画祭が11月19日から開催され、最終日の21日にコンペティション部門の各賞が発表された。今年は151作品の応募があり、厳選された入選8作品の中から淺雄望監督の「ミューズは溺れない」が弁慶グランプリと観客賞、俳優賞、フィルミネーション賞の4冠を獲得。映画.com賞は田中大貴監督の「PARALLEL」が受賞した。
淺雄監督の「ミューズは溺れない」は、美術部に所属する女子高校生たちを主人公に、「見る/見られる」という関係性を繊細に描いた作品。初の長編映画で、19年に撮影を開始し、コロナ禍での一時中断を経て、2年がかりで完成した。上原実矩、若杉凩、森田想、川瀬陽太、広澤草らが出演し、若杉凩が今回俳優賞を受賞。表彰式で淺雄監督はスタッフ、キャスト、映画祭関係者に感謝を述べ、壇上で何度も感極まって涙した。

映画.com賞を受賞した田中監督の「PARALLEL」は、心に傷を抱え、今までの自分とは違う誰かになりたい少女と、美少女アニメキャラクターのコスプレ姿で殺人を繰り返す“アニメの世界に行きたい殺人鬼”との心の交流を描いた衝撃作。主人公の少女を楢葉ももな、殺人鬼を芳村宗治郎が演じたほか、菅沢こゆき、十代修介、ひと:みちゃん、ふじおあつや、ミネオショウらが出演している。田中監督は、大学の卒業制作として制作したヒーロー映画「FILAMENT」で第11回にも入選しているが無冠に終わっており、長編初監督作品でリベンジを果たした。
キネマイスター賞はますだあやこ監督と板野侑衣子監督による「魚の目」が受賞。もう一人の俳優賞は中濱宏介監督「B/B」に主演した倉嶋かれんが受賞し、今年の特別審査員である内田英治監督が授与した。そして審査員特別賞を林隆行監督の「情動」が受賞している。受賞作品は副賞としてテアトル新宿、シネ・リーブル梅田の2ヶ所で来年上映される予定(詳細は後日発表)。

今回は、和歌山県田辺市の紀南文化会館で感染防止を徹底した現地開催と、コンペ作品のオンライン配信とを併用した新しい試みで開催。コンペ作品は映画.comの試写サービス「スクリーニングマスター」を利用して配信され、現地で鑑賞できない全国の映画ファンがオンラインで視聴した。また、現地では入選監督たちによるティーチインや、松崎まこと氏と松崎健夫氏の司会によるオンライントークライブも行われ、現地開催の意義を配信し、SNS上でも盛り上げを図りながら盛況裡に閉幕した。
なお、日本映画・映像専門の海外向けオンラインマーケットを展開するフィルミネーションは第15回よりオフィシャルスポンサーとなった。フィルミネーション賞は海外展開において最も高いポテンシャルを持つ作品に授与。賞金10万円で、副賞として英語字幕制作の補助金が授与されるほか、受賞作品の海外VODへのオンラインマーケット上での販売や、受賞監督の新作映画に対する投資も予定している。
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