北村匠海、高校時代は前髪パッツンのテクノカット「サブカルで生きてやるぜと思っていた」
2021年11月15日 19:00
ウェブライター・カツセマサヒコ氏の青春恋愛小説を映画化する「明け方の若者たち」のプレミア上映会舞台挨拶が11月14日、都内で開催され、主演の北村匠海をはじめ、井上祐貴、カツセ氏、松本花奈監督が登壇した。
Twitterでの“妄想ツイート”が話題となり、10~20代から圧倒的な支持を獲得したカツセ氏の長編小説デビュー作を映画化した。退屈な飲み会で出会った<彼女>に一瞬で恋をした<僕>が、世界が<彼女>で満たされる一方で、社会人になり“こんなハズじゃなかった人生”に打ちのめされていくさまを描く。「ホリミヤ」で知られる新鋭・松本監督がメガホンをとった。
<僕>を演じた北村は「カツセさんに僕の人生を覗かれていたのではないか?と錯覚したくらい、僕自身の思い出が詰まっている原作でした。21歳くらいの当時に聴いていた音楽や行っていた場所などを思い出して、社会に出て絶望しながらも毎日をキラキラと楽しく生きてやろうと模索していた時代を思い出しました」と思い入れたっぷり。「芝居をしないところから始めました。描かれている感情が生々しいので、ドキュメンタリーに近いリアリティというか、体感したものを言葉にしようと思いました」と等身大を意識したという。
撮影場所は、若き日の北村にとってゆかりのある場所だったようで「下北、高円寺、明大前、バッティングセンター。すべてに思い入れがあった。悶々としていた学生時代に唯一自分を許してくれる場所。高校時代はみんな渋谷に行くのに、自分はあえて下北に行くというはたから見たら変なひねくれ方をしていました」と思い出し笑い。「当時はサブカルがすべてだ、サブカルで生きてやるぜと思っていたので、前髪パッツンのテクノカット。学校に対するアンチテーゼのつもりだったけれど、校則規定にはぴったりとハマっていたので、先生からは『北村を見習え!』と言われていました」と意外なオチで笑わせた。
また映画の内容にちなんで“沼だった時期”を発表。松本監督は「高校時代はストレス発散で一人カラオケ沼だった」、カツセ氏は「中学時代は男子校。今でいう出会い系サイトで必死に出会いを求めていた」と回答。井上は「ゲームアプリで課金沼。欲しいアイテムがあるとついつい」と苦笑すると、北村も共感し「僕も重課金勢なのでわかります。ファッションではいいものを長く使うという思考になって、買い物をしなくなる。それで浮いたお金はどこに行くのかというと、ゲームアプリでの課金になる。お金の使い方は人それぞれです」と現在も課金沼にどっぷりの様子。
さらに、北村は「漫画や小説のアプリも8個くらい入っていて、しばらく待てば無料で読めるのに『120円』と書かれているボタンを押す。次の話を無料まで待てない」とトークが止まらず、「大人になったと感じる時は、ゲームを初めて買ったとき。それまではお母さんやサンタさんにお願いするものだった。それが自分のお金でカセットを買って、商品が入った袋をもらったときに……大人になったなあと思った」と実感を込めていた。
最後に、北村は「若者たちが集まって作れたのが嬉しい。今を生きる人たちにとっては何かの助けになる作品だと思うし、世の中を変えられるのは若者です。自分自身前向きなエネルギーを持ちながら生きているので、この映画を観てみんなで仲間になろうじゃないかと、そうして明日を迎えようじゃないかと、そんな思いを込めて作りました。自分と重ね合わせられる人もいるのではないかと思うので、ぜひ楽しんで」と同世代に向けてアピールしていた。
「明け方の若者たち」は12月31日から全国公開。
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