第34回東京国際映画祭開幕! イザベル・ユペール「私たちには映画が必要。映画も私たちを必要としている」
2021年10月30日 20:01
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第34回東京国際映画祭のオープニングセレモニーが10月30日、東京国際フォーラムで行われ、フェスティバルアンバサダーの橋本愛、コンペティション部門の審査委員長を務めるイザベル・ユペール、審査委員の青山真治、クリス・フジワラ、ローナ・ティー、世武裕子らが出席した。
東京国際映画祭は、今年からメイン会場を六本木から日比谷、有楽町、銀座エリアに移転。映画館でのフィジカル上映を基本として「コロナを越えたその先の映画の在り方を考えていく」「国際映画祭としての『国際』色を高めていく」「男女平等、環境保全などSDGsへの積極的に取り組んでいく」という目的を踏まえつつ、大きなテーマとして“越境”というコンセプトを掲げている。
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映画祭期間中に上映される作品は、計126本。そのうち、男女共同監督を含めた女性監督作品は33本(女性のみ29本、男女共同4本)で、全体の中での比率は26.2%(昨年は16.7%)。邦画の本数は68本となり、比率は54%。ワールドプレミア(世界初上映)作品は31本で、比率は23.8%となった。
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橋本は、レッドカーペットでのひとときについて「コロナ以前は、レッドカーペットの周りにお客さんがいらっしゃって、観客の皆さんと直接交流ができるという稀な機会という感じでした。昨年や今年は、そのような熱気を感じるような空気はありませんが、こういう状況で映画祭を開催することができたのは、たくさんの方々が力を注いでくれたおかげです。その有難みをじんわりと噛みしめるような時間でした」と述懐。さらに、映画祭のテーマ“越境”についての思いを述べた。
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橋本「ボーダーには、色々な種類があります。男女の性別、世界各国における物理的なもの、文化の違い。その違いを認め合いながら、お互いに歩み寄っていく。それを行うためにはどうすればいいのか――そこを誠実に考えていくことが、人との繋がりのなかで大事なことです。そして、今を生きている人たちの心や感性を育てていくのが、映画の大きな役目。映画祭が、そのような意識を日本だけでなく、世界に対しても広げていることが、今を生きるひとりの人間としてありがたいことだなと思っています」
「日本の映画館の魅力は?」という質問に対しては「東京の名画座やミニシアターに通ってみて感じたことは、その場所ごとに空気やカラーも違いますし、座席の質感も違う。どのような映画をセレクトして上映しているのかということもです。『その映画館でしか味わえないものがある』というのが、私の大好きな部分。その場所の、そこにしかない映画館という“特別感”がすごく好きなんです」と答えていた。
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今年のコンペティション部門は2021年1月以降に完成した長編映画を対象に、113の国と地域から1533本の応募があった。審査の対象となったのは、15本。ユペールは「コロナ禍での映画作りは、大きなチャレンジです。そして、そのような状況下で映画祭が開催されたということは“勝利”だと思います。私は他の審査員の方々とともに、この場に立てていることが非常に光栄です」と胸中を吐露する。
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ユペール「私たちは一緒に映画を見るべきだと思います。それがコロナ禍において、私が一番やりたかったことなんです。今回の作品セレクションは、非常に素晴らしいものです」
やがて、締めの言葉として、映画人のみならず、観客の心にも響く言葉を口にした。
ユペール「私たちには、映画が必要です。そして、映画も、私たちを必要としています」
第34回東京国際映画祭は、11月8日まで、日比谷、有楽町、銀座地区で開催。
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