「香港映画祭2021」全国5都市で開催決定! 日本初公開となる7作品をラインナップ
2021年10月28日 08:00
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香港映画の面白さと多様な魅力を味わえる作品をラインナップした「香港映画祭2021」が、11月27日~12月30日、全国5都市で開催されることが決定。シネ・ヌーヴォ(大阪)を皮切りに、出町座(京都)、元町映画館(兵庫)、名古屋シネマスコーレ(愛知)、ユーロライブ(東京)で行われる。
2020年に施行された「香港国家安全維持法」により、香港映画への検閲、規制はますます厳しくなり、香港の言論と表現の自由が一段と狭まる事態が懸念されている。しかしそうしたなかでも、社会の変化を反映し、映画人たちの豊かな感性によって、多くの魅力ある作品が生み出された。6月に開催された「2021年香港インディペンデント映画祭」は、全国3都市で開催され、大きな話題に。「香港映画祭2021」では、日本初公開となる7作品を披露。5作品が新人監督の作品でありながら、ジャッキー・チュン、カリーナ・ラムなど、香港を代表するベテラン俳優が出演している。
同映画祭のキュレーターで映画監督のリム・カーワイは、今回の開催にあたり、以下のコメントを寄せている。
「香港映画祭2021」は、11月27日~12月3日にシネ・ヌーヴォ、12月3日~12月9日に出町座、12月11日~12月17日に元町映画館、12月18日~12月24日にシネマスコーレ、12月29日、30日にユーロライブで開催。上映作品の詳細は、以下の通り。
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1960年代の香港、小説家のラウは生活のために、作家として認められないジャンルである武侠小説、官能小説を書く。引っ越す度に、彼は多くの個性的な女性と出会い、恋に落ちる。女と酒に溺れた彼は、徐々に人生の深淵に落ちていく……。香港文学の最高峰のひとつで、香港では意識の流れの手法を最初取り入れた小説として知られる、ラウ・イーチョンの「酒徒」の完全映画化。香港映画評論界の重鎮フレディー・ウォンの長編デビュー作。ダメ男のラウを演じきったチャン・グオチューの演技から目が離せない。また、1960年代の香港を見事に再現した、美術や衣裳なども見どころだ。
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チャン・カイヨクは幼い頃に両親が離婚し、母と共に広州へ引っ越した。母を病気で亡くしたあと、父の住む香港に戻ったカイヨク。社会の底辺をさすらうなか、認知症を患うツェー・ユエンファンと出会い、彼女のアパートに転がり込むことに。年齢も人生経験も全く違う2人が不思議な同居生活を始め、反発し合いながらもやがて互いを受け入れていく。脚本家ロー・イウファイの監督デビュー作。香港映画を代表する大女優のひとり、カラ・ワイが、本作で3度目の香港アカデミー賞最優秀女優賞を受賞した。
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結婚10周年の日に、香港のセレブ女優が上海へ美術商の夫に会いに行く。夫と秘書との不倫に気付いた彼女は、その裏切りを受け入れられない。落ち込んだ彼女は夜の上海・外灘で、タクシー運転手と出会う。傷心のセレブ女優と、偶然出会ったタクシー運転手の桂林への逃避行を描くロードムービー。全編に散りばめた文学的なナレーションと、桂林の美しい景色が相まって、彼女の心境の変化と共に切なさを誘う。名匠スタンリー・クワンのミューズとして知られたアイリーン・ワンが、スクリーンにカムバック、記念すべき主演復帰作となった。香港の大手映画会社エンペラーが製作。“シネマ・ドリフター”として知られるマレーシア人映画監督リム・カーワイの幻の日本未公開作。
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多くの尊敬を集め、社会的な名声が高い牧師が、女性の部下にセクハラで訴えられ、地位も名誉も瞬時に失った。5年後、2人はある集まりで偶然再会する。過去を振り返ると2人は平行線をたどるように見えたが、ラストは想像を超える真相が明らかに。香港の人気劇作家、荘梅岩の舞台劇「フレンチキス」の映画化。スキャンダラスな内容はもちろん、スター俳優のジャッキー・チュンとカリーナ・ラムが、巨匠アン・ホイ監督作「男人四十」以来、久しぶりに共演したことも話題をさらった。なお、監督のユエン・キムワイは、カリーナ・ラムの夫でもある。
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1984年、英中共同声明が発表されて、香港の中国返還が決まった。未来が不明瞭になったなか、香港初のユース野球チームが発足する。10名の野球選手たちは、試合では次々と失敗を繰り返すが、香港の歴史、運命と共鳴するかのように、時代に翻ろうされながらも、常に「諦めるか、続けるか」という心の葛藤と戦っていく。やがて、最大のライバル、日本の野球チームとの対戦の日が訪れる。新人監督スティーブ・チャンの長編デビュー作で、香港版「KANO 1931海の向こうの甲子園」と称されている。瑞々しい新人俳優たちと香港最高の俳優のひとりで、先日急死したリウ・カイチーの胸に迫る熱演は必見だ。
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統合失調症から回復したロックは小学校の先生になった。彼は美しいヤンヤンと出会い、彼女に一目惚れするが、自分の病気を打ち明けるか苦悩する。躊躇するなかで、彼はまた病気になり、幻覚に取り憑かれるように。そして、彼女の存在に疑いを持ち始める。社会派と言われ、オムニバス作品「十年」や、カンヌ国際映画祭でサプライズ上映された「時代革命」のような政治的な話題作を作ってきたキウィ・チョウ監督が、初めてラブストーリーに挑戦。2020年度・香港映画として最高の興行収入を叩き出し、香港アカデミー賞にも数多くノミネートされた。
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タイの女性監督アノーチャ・スウィチャーゴーンポンとタッグを組んできた、香港人撮影監督レオン・ミンカイ初監督長編。四つの短編映画から構成されたオムニバスとなっている。世代が異なる2人の女性移民が、田舎から都会へ出かけようとする「禁断の都市」、性格が異なる2人の兄弟が、母が経営する玩具の店で宝探しを始める「玩具物語」、専門分野が異なる2人の中学校教師が、香港、九龍、新界でグルメ巡りをする「鴛鴦(ユンヨン)」、区選挙で民主派の女性が立候補し、親中派に真っ向から挑戦する「深水歩(サムソイポー)」(「歩」の表記は「土+歩」)で構成されている。
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