映画版「ボクたちはみんな大人になれなかった」森山未來&伊藤沙莉、初共演は「ドライブをしているよう」
2021年10月5日 14:00

作家・燃え殻氏による小説をNetflix製作で映画化した「ボクたちはみんな大人になれなかった」のプレミア上映イベントが10月5日、東京・シネマート新宿であり、森山未來、伊藤沙莉、森義仁監督が登壇した。
原作は、2016年に初版発行されて以来、世代を超えて共感の声が広まり続け、ウェブメディアでの連載やSNS上で話題を呼んだ作品。誤操作で昔の恋人のフェイスブックに、友だち申請を送ってしまった主人公「ボク」の混沌とした1日から始まる、過去と現在をSNSが繋ぐラブストーリー。
「ボク」こと佐藤役の森山は「緊急事態宣言が終わって、心おきなく映画館に来れる状況が嬉しい。ぜひ映画を劇場で体感してほしい」と満席の客席を前に挨拶。劇中では21歳から46歳までを演じ、「僕の実年齢は37歳ですが、ビジュアルに関しては、本当にあの手この手を使って、こんなに顔のケアをしたのは初めて」と振り返る。そして、「容姿の変容というよりも、主人公の佐藤がどういう場所・環境に出会って、人間関係が複雑に、そして多様になっていくかの様子を観て欲しいですし、そこから“大人って何ぞや”という事を考えてもらいたいです」と呼びかけた。
佐藤の初恋の人であるかおりに扮した伊藤は、SNSでこの役が誰が演じるかが話題となっていたことにも触れ、「ほんとにつかめない役ですし、佐藤もつかみきれなった。みんなの心の中にいる、かおりのような忘れられないひとつの存在としていられればと思って演じた」と役作りについて語った。
本作が長編映画デビュー作となる森監督は「ベストセラーで人気もあって、文字で書かれていることが重要かなと。映像化が難しいと思っていた。燃え殻さんの本質が見えたり、普遍的な物語でもある。時間の流れを丁寧に描きたいと思いました」と述懐した。
森山と伊藤は今作が初共演、森山が「初めて人を好きになった感情を手繰り寄せて演じなければいけなかったので、ある種の緊張を持っていましたが、その近付いていく過程が楽しく貴重な時間でした。まるで一緒にドライブをしているような感覚でした」と振り返ると、伊藤も「たくさんいろんな作品見ていて、共演させていただくのが夢だった。緊張していたけれど、森山さんはずっと佐藤でいてくれ、佐藤とかおりであることを信じさせてくれた。こういう関係性のこういう作品でご一緒できたことが幸福でした」と感謝を述べた。
最後にメッセージを求められると、「主人公はいわゆる東京で暮らす強者でも弱者でもない真ん中の人。世の中の人ってほとんどそうだと思うので、多くの人に見てほしい」(森監督)、「この世代ドンピシャにの人は懐かしいなと思うでしょうし、(世代の違う)私自身も楽しめました。時代が変わっても人間のかかわりが変わってないことを見ることができます。映像も、音楽もいいし、トータルで充実している」(伊藤)、「1995年から2020年を駆け抜ける映画。そのなかでもコミュニケーションツールの変容が目覚ましいです。文通に始まり、ポケベル、公衆電話、SNS、そしてコロナ禍までも描いている。そこには『出会いたい』『繋がりたい』と思う気持ちがあり、その根源のエネルギーみたいなものに触れ合える作品」(森山)とまとめた。
Netflix映画「ボクたちはみんな大人になれなかった」は、11月5日に東京・シネマート新宿、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほかで公開。同日にNetflixで全世界配信。
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