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人々の幸せのため、なぜ行政が必要なのか? フレデリック・ワイズマン監督作「ボストン市庁舎」予告編

2021年9月24日 10:00

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ようこそ、市民のための市役所へ。
ようこそ、市民のための市役所へ。
(C)2020 Puritan Films, LLC - All Rights Reserved

ドキュメンタリー映画の巨匠フレデリック・ワイズマン(「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」)が、生まれ故郷である米マサチューセッツ・ボストンの市役所と街の姿をとらえた「ボストン市庁舎」の予告編が披露された。

舞台は、多様な人種と文化が共存し、ワイズマン監督が生まれ、現在も暮らす大都市ボストンの市庁舎。警察、消防、保険衛生、高齢者支援、出生、結婚、死亡記録、ホームレスの人々の支援、同性婚の承認など、数百種類ものサービスを提供する、知られざる市役所の仕事の舞台裏が映し出される。市役所で働く人々の姿を通して、ワイズマン監督の「人々が共に幸せに暮らしていくために、なぜ行政が必要なのか」という問いへの答えを探っていく。

画像2(C)2020 Puritan Films, LLC – All Rights Reserved

予告編では、ボストンの美しい建築物や風景とともに、市民の幸せのため、懸命に多岐にわたる仕事をするマーティン・ウォルシュ市長や職員たちの奮闘を活写。フードバンク、NAACP(全米黒人地位向上協会)との話し合い、同性カップルの結婚式、道路状況や野良犬のクレームなど、次々と寄せられる市民からの電話のひとつひとつに、真摯に対応するさまが確認できる。ウォルシュ市長の「もし困ったことが発生したら、市長の私に電話を。通りで私を見かけたら声をかけて」という言葉からは、「誰ひとり取り残さない政治をしたい」という気概が感じられる。

撮影は2018年秋から19年冬にかけて、ドナルド・トランプの米統大領在任時期に行われた。映像の最後には、「ボストン市庁舎はトランプが体現するものの対極にあります。」というワイズマン監督の言葉が切り取られている。

画像3(C)2020 Puritan Films, LLC – All Rights Reserved

ワイズマン監督にとって、ドキュメンタリーの44作目となる本作は、20年のベネチア国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門と、トロント国際映画祭に正式出品され、同年の「カイエ・デュ・シネマ」誌が選ぶベストテンで1位を獲得。10月にオンライン開催される山形国際ドキュメンタリー映画祭2021のインターナショナルコンペティションで上映される。

ボストン市庁舎」は、11月12日から東京のBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国で順次公開。

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