無一文から「ドーナツキング」となったカンボジア人男性の波乱の人生 リドリー・スコット製作総指揮ドキュメンタリー予告編
2021年9月8日 15:00
リドリー・スコットが製作総指揮を務め、“ドーナツ王”と呼ばれたある男に迫る驚きのドキュメンタリー「ドーナツキング」の予告編がお披露目された。無一文でカンボジアからアメリカへ渡り、ドーナツ店の経営を経て資産2000万ドル(日本円で約22億円)を所有する成功をおさめた男の波乱の人生が映し出されている、
アメリカ国内には、約2万5000店以上のドーナツ店があり、うち約5000店舗がカリフォルニアで営業している。カリフォルニアに住み、車で通勤する人々の朝の定番は、「ドーナツ2個と1杯のコーヒー」だという。
本作では、そんなアメリカ人が愛してやまないドーナツ店の経営で、誰もが羨むアメリカンドリームを掴んだカンボジア人男性テッド・ノイに焦点を当てる。彼の成功で、カリフォルニアのドーナツ店の90%以上をカンボジア系アメリカ人が経営している現在の状況が生まれたという。なぜ彼はアメリカに渡り、いかにして現在も脈々と継がれるドーナツ店経営に至ったのか――。カンボジア内戦、難民問題、大手チェーン店と個人経営店の対立など、幾多の困難を乗り越えながら、思いもよらぬ方向へ転がったテッドの数奇な人生に迫る。2020年の米サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)映画祭で審査員特別賞を受賞し、メガホンをとった新鋭アリス・グーが絶賛を浴びた。
予告編の冒頭では、「ドーナツの時間だよ」という言葉を合図に、テッドが焼き上げたたくさんのドーナツが登場。胸が躍るカラフルなドーナツとともに、彼を知る人々の証言が切り取られていく。大金持ち、カンボジア難民にチャンスを与えた、命の恩人、お金のためなら何でもやる、失望した……さまざまな証言が寄せられており、生き抜くためにドーナツに全てを捧げた彼の人生の浮き沈みに興味が掻き立てられる。
カリフォルニア在住の映画評論家・町山智浩氏は、「ポルポトの虐殺から逃れ、難民としてアメリカに渡り、無一文からドーナツ王へとのし上がり、故郷の同胞を救うカンボジアのシンドラーになるが……1分先が予想つかないジェットコースター人生! 抜群の面白さ!」と絶賛している。
「ドーナツキング」は、11月12日から新宿武蔵野館ほか全国で順次公開。
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