ドーナツキング
劇場公開日:2021年11月12日
解説
アメリカで「ドーナツ王」と呼ばれるカンボジア人男性テッド・ノイの人生に迫ったドキュメンタリー。無一文でカンボジアからアメリカへ渡り、ドーナツ店の経営で資産2000万ドルを所有する「ドーナツ王」となったテッド・ノイ。誰もがうらやむアメリカンドリームを掴んだ彼は、なぜアメリカに渡り、いかにしてドーナツ店経営に至ったのか。カンボジア内戦や難民問題、大手チェーン店と個人経営店が対立する最新ドーナツ事情まで、数々の困難を乗り越えてきた彼の数奇な半生を描き出す。「ブレードランナー」などの名匠リドリー・スコットが製作総指揮に名を連ねる。監督は新人のアリス・グー。
2020年製作/98分/G/アメリカ
原題:The Donut King
配給:ツイン
スタッフ・キャスト
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アメリカといえばドーナツ。数年前に某チェーンが上陸したときに日本人が行列をなしたのも懐かしいが、そもそもの米国内におけるドーナツ商戦に、カンボジアからの移民たちの存在が関わっていたとは思ってもみなかった。ポル・ポト派が人々を弾圧し、おびただしい数の犠牲者を出した70年代カンボジア。そこから逃れて米国へとやってきた一人の青年が、ドーナツ文化に大きな変革をもたらすことになろうとは。本作はそんな知られざるクロニクルを穏やかな雰囲気でわかりやすく伝えてくれる。そして後半になると「あっ」と気づくのだが、ちょっとした語りのマジックも介在していて、その構造がドキュメンタリーとして興味深く感じられた。ドーナツにまつわる知られざる現代史を描くにあたり何を核とするか。確かに、この偉ぶらない、ほんわかとしたおじさんでなければ、その役割は務まらない。作り手は非常にアイコニックな点に着目したものだと感心させられた。
2022年1月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
アメリカン・ドリームを体現した人物の映画です。それゆえに残酷な現実を描いていると思います。当事者のテッドはカンボジアの内戦かっRiricoあ逃れて、自由の国アメリカへやってきました。豊かになることを目指して懸命に生きます。ガソリンスタンドやその他の仕事を掛け持ちしながら、ドーナツ店で修行して、半年で独立店舗を持ちます。まさに「夢を叶えた」のです。彼に善行はカンボジア難民への救済へ向けられました。そして多くのカンボジア人の家族を救います。しかし、次第にアメリカン・ドリームの罠が忍び寄ってきます。豊かさが招いたギャンブルという甘い罠です。テッドの凋落はあっという間に訪れます。ここの映画の本質があると思います。
『運だぜ!アート』のluckygenderでした
2021年12月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
アメリカのドーナツ店はカンボジア系が90%以上で、その全てのルーツとなったテッド・ノイのドキュメンタリー。
要はテッドが家族や親戚をアメリカで面倒みまくってついでにドーナツ店の賃料取ることで大儲けした移民サクセスストーリーなのだが、これ「移民に仕事を取られるから移民反対」派の人が見たら余計憎たらしく思うんじゃない?とは思った。
まぁラスベガスのカジノでギャンブル中毒になって転落していくので結局アメリカに搾取されたようなものでもあるんだけどね。
テッドの奥さんとのエピソードで結婚した理由が美人だったのと美人と結婚すれば成功した証になるみたいなこと言ってて、そこらへんからテッドの影が見えてくる構成が良かった。
2021年12月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
梅田で上映している時期を逃し、神戸三宮の映画館で観ました。
当日の入場者は私らを含め4名。少ない人数で寂しさを感じましたが映画自体はカンボジアの悲劇から、覚悟を決めた難民が異国の地で、お店を発展・拡張させるストーリーは非常に面白く、興味深く感じました。究極に追い込まれて退路を断たれた方々が知恵を絞って活躍する姿に勇気を頂きました。もっと人気があってもいい映画だ。