野本梢監督「愛のくだらない」 岡安章介が思い出語る「鉄道ファンが大喜びする映画になったかも」
2021年9月3日 16:00

テアトル新宿で開催中の「田辺・弁慶映画祭セレクション2021」(8月27日~9月16日)で9月2日、野本梢監督「愛のくだらない」の上映が最終日を迎えた。上映後の舞台挨拶には野本監督をはじめ、出演の藤原麻希、岡安章介(ななめ 45°)、橋本紗也加、根矢涼香、長尾卓磨が登壇。司会を放送作家で映画活動家の松崎まこと氏が務めた。
新人監督の登竜門である田辺・弁慶映画祭で、「愛のくだらない」は第14回の弁慶グランプリと映画.com賞をダブル受賞した。ひとりの30代の人間が、忙しさや意地の張り合いにより、仕事でもプライベートでも失敗しながら成長する姿、“他社との関係性”をコミカルに描いている。「生きづらさ」を感じている人々を描き続けてきた野本監督が、自身のリアルな体験を元に描いた渾身の一作だ。

野本監督の初期作品から参加している主演の藤原は「監督とは2人で短編の撮影をしたりしてきました。今回長編のオファーを頂いて、『私なんかじゃ力不足なのでは』『監督の大きなチャンスを潰してしまうでは』と悩んだが、がむしゃらに演じさせて頂いて、想像を超え大きな広がりをみせているので、引き受けて本当に良かった。また最終日に多くのお客様にご覧頂き本当に嬉しい」と語った。

主人公の彼氏役を演じた岡安は「お笑い芸人を諦めた男の役だったので、まわりに沢山いる志半ばで芸人を諦めた先輩や後輩を参考に演じました」とし、また撮影中のエピソードとして「鉄道、東海道線の前で話すシーンがあるんですが、リハーサル中に西武鉄道さんの特急列車『ラビュー』が甲種輸送でたまたま走ったんです。本番だったら『東海道の線路にラビューが走っている!』と鉄道ファンが大喜びする映画になったかも」と鉄道芸人らしい思い出も述べた。
最終日に満席に近い客席を見た野本監督は「本当に嬉しい、凄いことが起きている」と感謝。舞台挨拶終盤には、撮影後に下咽頭がんが見つかり既に治療を終了した岡安に花束を渡すサプライズがあり、「上映の時に一緒にいられたら良いなと思っていたので戻って来てくれて本当に嬉しい」と思いを語った。
なお本作は、大阪のシネ・リーブル梅田でも開催される「田辺・弁慶セレクション2021」でも9月24日から26日まで上映され、10月30日からは池袋シネマ・ロサにて単独公開される。
フォトギャラリー
関連ニュース





