“敏腕記者”玉木宏、新聞紙上の公開討論で無差別連続殺人犯と対決 WOWOWドラマ「だから殺せなかった」22年放送&配信
2021年8月31日 12:00
俳優の玉木宏が主演し、第27回鮎川哲也賞の優秀賞を受賞した一本木透氏の小説をドラマ化する「連続ドラマW だから殺せなかった」が2022年に放送、配信されることが決定。玉木は、無差別連続殺人犯に指名され、新聞紙上で公開討論を繰り広げる敏腕記者を演じる。
太陽新聞社会部の記者・一本木透(玉木)にある日、1通の手紙が届く。そこには首都圏を震撼させる無差別連続殺人事件の犯行が詳述されており、「俺の殺人を言葉で止めてみろ」と記されていた。犯人は一本木を指名し、新聞紙上での公開討論を要求したのだ。新たな殺人を予告する犯人に対し、一本木は報道記者として、言葉の力で立ち向かう。やがて、凶悪犯と新聞記者の前代未聞の対話は、ジャーナリズムや社会の闇を浮き彫りにしながら、劇場型犯罪として世間を揺るがしていく。
「連続ドラマW 盗まれた顔 ミアタリ捜査班」以来、WOWOWドラマへの主演は3年振りとなる玉木は、心に傷を抱えながらも、報道への信念を貫く一本木役を務める。「連続ドラマW 宮部みゆき『ソロモンの偽証』」の権野元が監督、「連続ドラマW 華麗なる一族」の前川洋一が脚本、「連続ドラマW 引き抜き屋 ヘッドハンターの流儀」の木村秀彬が音楽を担い、重厚な世界観を作り上げる。
「連続ドラマW だから殺せなかった」(全5話、第1話は無料放送)は、22年にWOWOWで放送、配信される。玉木、原作者・一本木氏、権野監督のコメントは、以下の通り。
ドラマWはドラマでありながら映画的要素が多く、どっぷりとその世界に入る事が出来る枠だと思っています。今作は静かな作品ではありますが、心がジワジワと揺さぶられていくような面白さがあると感じました。職責を全うする事の意味を考えずにはいられません。そんなメッセージを受け取り発信したいと思いました。
過去に後悔がありながらも、今を生きている男。報道の在り方、仕事の意味、自分の選択は正しいのか、自問自答しながら今を生きる姿が印象的です。権野監督は、かゆいところを理解してくれる方です。どんな応対も素早く的確で現場をしっかりまとめてくださいます。ご一緒するのは4年ぶりなので楽しくやらせていただいております。
誰しもが自分と向き合う時間はあると思います。自分の居る場所、進むべき道、自己肯定する事も時に必要だと思います。葛藤しながら歩を進める太陽新聞記者、一本木のメッセージを受け取ってください。
「連続ドラマW」は重厚で見応えのある作品ばかりなので、お話をいただいた時は胸が躍る思いでした。そして、この小説の要である新聞記者と連続殺人犯の紙上戦を、どう映像化して頂けるのか、今から興味津々です。名優・玉木宏さん始め豪華キャストの方々の競演、そしてメガホンは、あの権野元監督。まさに「原作者冥利」に尽きます。
原作で描かれている新聞社内部の描写などは生かしつつ、原作では登場しなかった人物、他の警察組織、その中でうごめく人間関係にもフォーカスしていきたいと考えています。今作はある劇場型犯罪を扱っていますが、その姿の見えない凶悪犯はいったい誰なのか? 登場人物を改めてフラットに見直すと、誰が一番悪いのかわからないようなクセのある人間ばかりなので、その一筋縄ではいかない絡み合いも丁寧に紡ぎあげたいです。
玉木さんとは今作が二作目ですが、以前に増して男としての魅力、一言で言えば「枯れ感」も出て来たなぁと。過去にある秘密を抱えた主人公、一本木透を演じてもらっていますが、その瞳に宿る強いものの奥に潜むアイロニーが得も言われぬ色気を生み出しています。そんな玉木さんが個性的でクセしかないような様々な登場人物によって翻弄されていきます。その様もどうなるか楽しみにしている所です。
姿の見えない犯人を追いかける物語なので、犯人は誰なのか、なぜこのような犯罪が起こらざるを得なかったのか、ということはもちろん、その動機、そこに大きく関係する現代社会が抱えている闇にも注目していただきたいです。大手新聞社や警察組織という、ある意味特殊な組織内で、様々な思惑を持つ人間たちの静かな戦いにも注目していただければと思います。
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