ジブリ美術館、コロナ禍の休館を経て営業再開 新企画展示はフル3DCG「アーヤと魔女」制作舞台裏を紹介
2021年6月25日 21:00
三鷹の森ジブリ美術館の新企画展示「アーヤと魔女」展が、6月2日から行われている。新型コロナウイルスにともなう緊急事態宣言をうけて臨時休館となっていたが、本企画展の初日をもって営業を再開。スタジオジブリ初のフル3DCG制作の長編アニメーション「アーヤと魔女」にスポットを当てた同展の見どころ、営業再開後の現場の状況を取材した。
新企画展示は、「アーヤと魔女」の監督である宮崎吾朗が企画・監修を務め、フル3DCGアニメーションの制作舞台裏を紹介している。各コーナーに配されたキャプションも宮崎が手がけ、資料や映像、立体展示を通して「3DCGアニメーションのおもしろさ、奥深さ、表現としての可能性」を伝えている。また、同作のキャラクター作りに大きな影響を与えたというストップモーションアニメ「KUBO クボ 二本の弦の秘密」の人形も展示されている。
展示室内は制作工程に沿って、「絵コンテが完成するまで」「キャラクターができるまで」「キャラクターのバリエーション」「キャラクターを動かす仕組み」「カメラワークを決める」「キャラクターを動かす」「光と色を作る」などのコーナーを設けている。3Dモデルのキャラクターを動かすための骨格や表情造形、約1年を費やして作られたという「魔女の作業部屋」制作工程の紹介、劇中の部屋を再現した模型、オリジナルの3D映像などを通して、制作舞台裏を解説している。
子どもたちに人気なのが、「キャラクターに生命を吹き込む 表情を作る」コーナー。実際にモニターを触って、アーヤの表情を作ることができる参加型展示で、完成したアーヤの表情と自分の表情を比較するための鏡を設けるというひと工夫も。また「小道具をデザインする 食べ物のプロップ」コーナーでは、「アーヤと魔女」の“ジブリ飯ができるまで”を紹介。絵コンテ段階の料理を実際に作り、「料理が熱々のうちに3Dスキャナで取り込んでデータ化する」という制作工程を展示している。
展示内にあった「良い作品を作りたいという気持ちに2Dも3Dもない」という宮崎の言葉の通り、制作現場の意欲や熱量の高さを伝えていた同展。取材したこの日は、平日ながら多くの来場者でにぎわっていたが、広報担当者は休館時を振り返り「時間が止まったようだった」と話す。現在は、来場者の定員をこれまでの半分以下に減らし、検温と消毒を徹底。こうした状況だからこそ「スペースに余裕を持って館内をまわっていただける」「改めて、近隣の方々に足を運んでいただけたら」とも話す。また「ジブリ美術館は子どものための美術館」「お客さんに楽しんでいただきたい」という現場の思いは変わらないという。状況が大きく変わるなかで変わらないもの――現場の士気の高さ、訪れる子どもたちへの思いを明かしてくれた。
ジブリ美術館は日時指定の予約制で、「アーヤと魔女」展は2022年5月まで開催予定。チケット販売方法などの最新情報は公式サイトに掲載されている。「劇場版 アーヤと魔女」は8月27日公開。
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