吉永小百合、映画館の休業要請「くじけそうに」 延期せず主演作が公開
2021年5月22日 15:04
女優の吉永小百合が5月22日、都内で行われた主演映画「いのちの停車場」の公開記念舞台挨拶に出席。「昨日映画は封切りを迎えました。とても嬉しいことなのですが、とても残念なこともありました」と、緊急事態宣言下で営業していない劇場もあるなか、延期せず公開に踏み切った本作への思いを語った。
本作は、在宅医療を行う「まほろば診療所」に勤めることになった医師の咲和子(吉永)が、在宅医療だからこそできる患者やその家族との向き合い方を見いだしていくさまを描く。この日は吉永のほか松坂桃李、広瀬すず、西田敏行、南野陽子、柳葉敏郎、みなみらんぼう、泉谷しげる、田中泯、原作者の南杏子、成島出監督が登壇。舞台挨拶の模様は、259館に中継された。
感染拡大防止に細心の注意を払いながら、当初の予定通り5月21日から公開を迎えた。公開館数は378館(うち東京34館、大阪18館は現在休業)、緊急事態宣言下での公開館数は平日323館、休日299館(※21日18時時点)となっている。
吉永は「演劇は大丈夫だけれど、映画はダメということをうかがって、大変ショックを受けましたし、悲しかったです。くじけそうになりました。でも、今日このように全国の皆様の前でご挨拶ができるのは、この劇場で舞台挨拶をしなかったからと気持ちを取り直しております。きっときっと、これから日本中の皆様に映画をご覧いただけると思っております」と前を向いた。
続いて挨拶した松坂は「この作品を見ていただいて、本当にありがとうございます」と中継先の観客へ向けて頭を下げ、「公開されない劇場があるなかで、『いのちの停車場』が延期をせず公開することに、僕はすごく大きな意味があると思っております」と力を込める。
製作総指揮を務める東映グループ元会長・岡田裕介さんとの思い出を振り返った泉谷は、「(岡田さんは)配信でするような映画は映画じゃねえって言っていましたよ。今日は複雑な思い」と笑わせ、「岡田申し訳ない。こういう状況だから。どういう形でも映画は公開すべきだと思っているので、頑張って応援していきたい」と話していた。
また、舞台挨拶中にみなみが軽い貧血を起こし、退席する一幕があった。登壇者、報道陣がみなみの体調を案ずるなか、西田はみなみのCDを紹介し、「発売されたらそっちも皆さんよろしくお願いいたします。聞いてるとアルファ波が出て、だいたい3曲目で寝落ちしています。不眠にお悩みの方、お買い求めいただいたらと思います」と和ませてフォローをしていた。