「2021年香港インディペンデント映画祭」開催決定! 日本初公開の長編5作&短編13作披露
2021年5月20日 08:00
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香港インディペンデント映画全18作品(長編&短編)を日本初上映する「2021年香港インディペンデント映画祭」の開催が決定。6月19日~25日に大阪シネ・ヌーヴォ、6月25日~7月8日に京都出町座、7月中旬から名古屋シネマスコーレにて行われることがわかった。
2014年、香港の高校生、大学生たちが中心となり“真の普通選挙”を求め行われた「雨傘運動」。97年・香港返還以後に育った若者たちは、基本法の「一国二制度」に基づき保証された「高度な自治」が揺るがされるのを目の当たりにし、香港人としてのアイデンティティを強く意識した。19年の逃亡犯条例修正に端を発するデモは、2020年「香港国家安全維持法」の施行により、民主化活動家に実刑判決が下され、香港の高度な自治が脅かされている。そのような状況下、香港のインディペンデント映画は、政治的状況、社会の変化を描いてきた。今回の映画祭では、日本初公開となる長編5作品と短編13作品(全作品日本語字幕付き)を披露。映画監督のリム・カーワイが主催として名を連ねている。
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一般劇場公開されなかったが、2018年から今日まで香港アートセンターの劇場をはじめ、すでに数百回以上の自主上映が行われ、毎回満席を記録した映画。人気の理由に、この映画の主人公、香港本土派の政治活動家エドワード・レオンのカリスマ性がある。2019年抗争運動のメインスローガン「光復香港、時代革命」は、実は2016年に彼が立法会議員を立候補した際に作った選挙スローガンから由来したことからも彼の影響力が窺える。彼はモンコックで起きたデモ騒動で6年の実刑判決を受けており、映画はその顛末を描いている。このドキュメンタリーに出演して彼は一時海外に亡命。その後、香港に戻り逮捕されて未だに服役中だ。
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雨傘運動の影響を受けたある家族(父はベテランの新聞記者、息子は警察、娘はデモ参加者)の矛盾、対立と、崩壊の過程を2014年~17年までの長いスパンでリアリズム的に描き出した作品。香港映画に欠かせない名優ベン・ユエン(袁富華)が、映画「トレイシー」で香港アカデミー賞助演男優賞を獲得する前に撮影した初主演作という点でも話題を呼んだ。
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第10回大阪アジアン映画祭に出品された「点対点」のアモス・ウィー監督の長編映画2作目。原作は、2013年台湾の島田荘司推理小説大賞を受賞。商業映画だけではなく、自主映画にも積極的に投資、製作、配給を行う製作会社「ゴールデン・シーン」のプロデュース作で、自主映画にも関わらず、香港映画を代表する若手俳優、ベテラン俳優など豪華キャストが集結。サスペンス映画の形を借りて、若者が上の世代に対する絶望と反乱をエンタテインメント的に描いている。
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香港を代表するゲイの映画作家、サイモン・チュン監督の新作。あるゲイカップルが時代に翻ろうされながら、お互いの愛を確かめ合うプロセスを感情豊かに描くき、香港版「ムーンライト」と絶賛された。主役を演じたジュン・リーは「トレイシー」(第31回東京国際映画祭上映)で監督デビューを飾り、香港アカデミー賞でも多くの部門でノミネートされ、話題を呼んだ。
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香港映画評論学会最優秀映画賞、台北国際ドキュメンタリー映画祭オープニング映画。2019年11月中旬、香港の繁華街に位置し、香港島と九龍島の間のトンネルの要塞にある香港理工大学で、警察と学生との攻防が11日間に渡って繰り広げられた。大学キャンパス内は戦場と化し、1000人以上の学生が暴動罪で逮捕された。同事件は、2019年抗争運動の中で一番スキャンダラスな事件だったが、あまり報道されず、その真相と過程も明らかにされていないところが多い。将来のキャリアと身の安全を考慮して、本作の監督と製作者たちは匿名としている。
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2019年7月1日、香港返還記念日。ビクトリアパークで沢山の人々が集まり、市内をデモ隊が行進する中、台湾のひまわり運動になぞらえて、立法会を突入し、占領しようと呼び掛ける若者たちがいた。それを冷静に止めようとする大人たちの姿も。最終的に、立法会に突入して、占領したのだが、その夜は香港政治史上未曾有の夜でもあった。オキュパイした若者たちが感じた恐怖も尋常ではなかった。その緊張感と焦りがよく伝わる貴重な記録映像となっている。
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2019年7月7日、香港の繁華街で香港の若者が、中国大陸からやってきた観光客に「なぜ彼らが反中デモを行うか」をあらゆる平和的手法で伝えようとした。
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2019年7月28日、香港島西にて、警察と市民との間に大規模の武力衝突が起きた。警察は無差別に市民を逮捕したが、市民たちは警察に捕まらないようにお互いに助け合った。2020年ベルリン国際映画祭出品作。
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2019年8月12日、ゼネストを行っても政府が一向に市民の声に耳を傾けない中、デモ隊たちは最後の賭けに出た。香港国際空港をオキュパイすることだ。警察が強制的に武力撤去を行うと噂されている中なか、最後まで空港を死守した人々と、空港から引き上げようとした人々の対立と助け合いが描かれる。
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2019年9月13日、香港では旧正月の次に、一番重要なムーンフェスティバル(中秋節)に、無数の若者が警察拘留所の前に集まった。彼らは警察に逮捕されて、拘留されたデモ参加者たちに応援の歌を送る。同日は、抗争が始まってから100日目。逮捕されたデモ参加者は延べ人数が1453人。年齢の幅は12~72歳だった。
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劇映画でもなくドキュメンタリーでもなく、エッセイ映画という形で香港抗争運動の歴史が語られ、描かれている。イメージとサウンドのモンタージュはあたかもゴダールやクリス・マルケルが撮ったような美しい詩篇となっている。。
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父から引き継いだレストランの壁一角に万遍なく貼られた尋ね人欄を通じ、兄妹は最近の出来事によって、行方不明になったり、香港を離れたりした人々の複雑な思いを知る。
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幼なじみの少女に片思いをしている少年が、彼女が年長の男にラブレターを渡すところを目撃。少年の心の移り変わりを描く。
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フードパンダの配達員になった父の初出勤の夜。息子と一緒に食べ物を客に届けに行くが、思いもよらない出会いがあった。
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1944年秋、日本軍に占領された香港。イギリス軍の逃亡を手伝った香港の若者が、ひとりの少女と出会った事で、運命が大きく動き出す。
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ある香港人女子大生が台湾に引っ越した。彼女に興味を持つ隣の台湾人男性が急接近し、女子大生の秘密を知ることになる。
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2019年7月21日、元朗駅で白服集団無差別襲撃事件が起きた。その夜のある出来事をパロディにしている。
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未来の香港。ある若い女性が保険会社の入社テストを受ける。限られた時間のなかで顧客の問題を解決しなければならない。やがて、目の前の顧客たちが、実はアンドロイドだったと気付く。
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