シンジ声優、「エヴァ」庵野秀明総監督に「おめでとう」「お疲れさまでした」
2021年3月28日 17:19
2007年から再始動し「:序」「:破」「:Q」の3作が公開された「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの完結編「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の来場御礼舞台挨拶が3月28日、東京・新宿バルト9で行われた。「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの舞台挨拶は、“旧劇場版”が公開された1997年以来、実に24年ぶり。上映後のキャスト登壇に、駆けつけたファンは歓声に代わり、大きな拍手を送った。
舞台挨拶には主人公・碇シンジを演じる緒方恵美をはじめ、アヤナミレイ(仮称)役の林原めぐみ、式波・アスカ・ラングレー役の宮村優子、三石琴乃(葛城ミサト役)、山口由里子(赤木リツコ役)、石田彰(渚カヲル役)、立木文彦(碇ゲンドウ役)、岩永哲哉(相田ケンスケ役)、岩男潤子(鈴原ヒカリ)、長沢美樹(伊吹マヤ役)、優希比呂(日向マコト役)、伊瀬茉莉也(北上ミドリ役)、勝杏里(多摩ヒデキ役)、山寺宏一(加持リョウジ役)という豪華な歴代キャストが勢ぞろいした。
挨拶に立った緒方は「これだけのキャストが集まるのは、最初で最後の機会だと思います。皆さん、楽しみに来てくださったと思いますが、わたしたちも同じように楽しみにしてこの場に来ました」と歴史的イベントに興奮しきり。庵野秀明総監督へのメッセージを求められると「今回のシンジは“送り出す”作業を担っていた。映画を見終わった後、庵野さんを『おめでとう』『お疲れさま』と送り出した気持ちになりました。もちろん、すべてのクリエーターの皆さんに、お疲れさまと伝えたい」と長年にわたり、製作に携わったスタッフの労をねぎらった。
林原は「2時間35分の長い長い映画。そして、さらに長いエンドテロップを見ながら、これだけの人たちが集結した映画なんだなと思い、感慨深かった」としみじみ。「ある世代の方々には、これが1つの終わりであり、10代の皆さんにとってはここが入口になるのかな」と次世代への“神話”継承に期待を寄せていた。また、第3村のシーンについて「黒いプラグスーツと畑…、ですから(笑)。『エヴァンゲリオン』という作品で、経験したことがなかった温かい人情、清らかな水、新緑、お腹いっぱい吸う空気に最初は驚いた」と回想。この言葉に、緒方も「まさか、あんなほのぼのするシーンがあるなんてね」と話していた。
「自分で考察したり、皆さんの考察を目にして『えっ、そういうことだったっけ?』と思い、また見に行く。これが正しい楽しみ方だと思うし、1粒で何度でもおいしい思いをしている」と声を弾ませる宮村は、やはり人情あふれる第3村でのシーンに触れて「“旧劇”なんて愛がありませんから~」と場を盛り上げた。三石は新組織ヴィレの結束のシンボルである青いスカーフを左腕にまいて登場し「今回、葛城ミサトとして大切な役割を担い、重要なシーンを任され、一生懸命に演じました」と感無量の面持ち。山寺から「葛城、よく頑張ったな!」の声も飛び、劇中同様の絆が披露された。
その山寺は「出ていて良かった。庵野さんなら、カットしましょうって言いかねない(笑)」と無事に出演を果たし、安どの表情。「庵野さん、そしてスタッフの皆さんが命を削って作り上げた、どれとも違う唯一のエンターテインメント」と同シリーズの魅力を熱弁し、「僕も代表作といえば、加持リョウジ、そして『アンパンマン』のチーズと書かれることが多いですから(笑)」と役柄への強い思い入れを示していた。
映画は2度の公開延期を経て、3月8日に全国466館で封切り。すでに興収は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」(2012年公開、最終興収53億円)を上回り、シリーズ歴代成績を更新中だ。95年に初回放送されたテレビシリーズ「新世紀エヴァンゲリオン」からおよそ25年を経て、人造人間エヴァンゲリオンに搭乗したシンジ、レイ、アスカが、それぞれの生き方を模索する旅路が大団円を迎えた。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
第86回アカデミー作品賞受賞作。南部の農園に売られた黒人ソロモン・ノーサップが12年間の壮絶な奴隷生活をつづった伝記を、「SHAME シェイム」で注目を集めたスティーブ・マックイーン監督が映画化した人間ドラマ。1841年、奴隷制度が廃止される前のニューヨーク州サラトガ。自由証明書で認められた自由黒人で、白人の友人も多くいた黒人バイオリニストのソロモンは、愛する家族とともに幸せな生活を送っていたが、ある白人の裏切りによって拉致され、奴隷としてニューオーリンズの地へ売られてしまう。狂信的な選民主義者のエップスら白人たちの容赦ない差別と暴力に苦しめられながらも、ソロモンは決して尊厳を失うことはなかった。やがて12年の歳月が流れたある日、ソロモンは奴隷制度撤廃を唱えるカナダ人労働者バスと出会う。アカデミー賞では作品、監督ほか計9部門にノミネート。作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞した。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。