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新田真剣佑×鈴木伸之×渡邊圭祐、「ブレイブ 群青戦記」続編製作を熱望する理由(わけ)

2021年3月11日 19:00

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仲の良さをうかがわせた新田真剣佑×鈴木伸之×渡邊圭祐
仲の良さをうかがわせた新田真剣佑×鈴木伸之×渡邊圭祐

2013年に「週刊ヤングジャンプ」(集英社刊)で連載スタートし、単行本全17巻は累計150万部超を誇る人気コミック「群青戦記 グンジョーセンキ」を実写映画化した青春歴史アクション「ブレイブ 群青戦記」。原作の持つ爽快さと歴史劇、そこに潜む残酷さは、実写化困難と言われてきた。だが、演技、アクションに長けたキャストがそろったことで、見事なまでに実現。歴史マニアの蒼を演じた新田真剣佑、蒼の幼馴染みで剣道部の考太を演じた鈴木伸之、学校一の秀才で行方不明となったとされる謎の生徒・不破を演じた渡邊圭祐の3人に、過酷な撮影の中で何を得られたか聞いた。(取材・文/よしひろまさみち

部活動の実績がトップレベルの文武両道の高校が、突如学校ごとタイムスリップし、生徒たちは戦国時代に迷い込む。戦わない者には死が待つ冷酷な時代。織田信長(松山ケンイチ)の軍勢に襲われた彼らは、必死の防衛もむなしく、大勢の命を奪われ、さらには人質もとられてしまう。その後、現れたのは織田軍の敵となる、松平元康(三浦春馬さん・後の徳川家康)の軍勢。彼の登場によって、歴史オタクの弓道部員・西野蒼は自分たちのいる時代と状況を割り出し、関ヶ原の戦い直前にいることを突き止める。そして、自らのスキルをフル活用して、連れ去られた仲間たちの救出し、元の時代に戻ろうと試みる……という物語だ。

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おのおのの役の運動スキルは違うものの、アクションシーンは冒頭からたっぷり。だが、新田は「脚本を読んだときに、これなら撮影直前に言われてもできるな、と思いました」と余裕。

新田「僕はアクション映画だけでなく、いろいろなマーシャルアーツの経験があるので、自分のアクションシーンに対する不安はありませんでした。乗馬もありましたけど、それも経験済み。でも実際にやってみると、けっこう大変でしたね。今回の殺陣は、高校で所属する部活でのスキルを活かした殺陣じゃないですか。それは初めての経験。だから、実際に演じている映像を見たときに、はたしてこれで正解なんだろうか、っていう疑問も湧いてきたりしましたね」

鈴木「僕自身は剣道はおろか、武道自体が初めてで。袴や道着を着けてアクションシーンをする、ということがどういうことか、やってみないと分からないことがあったので、最初は不安ありましたね。しかも、考太はインターハイ級の剣道選手なので、とにかく大きく強く、凛としていて、武道の達人のような佇まいが必要。そこはかなり意識して演じました」

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渡邊「不破のことはあまり多くを言えないんですが、かなり多くのアクションシーンがあるんです。それも槍を使った殺陣。アクションシーンについては自信がありましたが、人の背丈よりも長い槍を振り回すのは初めての経験だったので、とにかく距離感をつかむのには手間暇かかりましたね」

新田「あれは難しそうだったよね」

渡邊「何本も折ってるしね(笑)。すべてのシーンを自分たちでやってるから、全員負担は一緒ですよ」

新田「タイムスリップしていきなり足軽の大群が襲ってくるシーンとか、あれは足軽を演じてくれたスタントチームのおかげだよね。受け身のプロだから、僕たちが多少無理な動きをしても、きちんと何事もなかったかのように受けのアクションをしてくれる」

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鈴木「それでも誰もケガしなかったのはみんなの準備とスタッフのおかげですね」

新田「そうそう。リハーサルできっちり動きをつかんで、毎日日没前には撮影を終えた、健全な現場でしたから。暗くなってしまうと、ケガをする危険度が増しちゃいますので」

鈴木「それに、本広監督の現場らしく、食事にこだわってくれて。温かい食事にちゃんと時間をとってくれるのはありがたかったですね」

渡邊「まずは役者の体から健康に、っていう気持ちが伝わる、めちゃくちゃいい現場だったと思いますよ」

新田「しかも、部活感みたいなものが、みんなにあったのがとても楽しかったよね」

鈴木「そうそう。真冬の撮影だったのに、薄着でも全然寒さを感じないくらいに盛り上がった(笑)」

渡邊「撮影が冬だってこと、忘れてました。それくらい楽しかったから、みんな揃って戻りたいって言ってるよね」

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新田「定期的にシリーズでやりたい、って思う作品なんてめったにない。しかも、撮影は2019年の秋の終わりから2020年のはじめまでで、コロナ禍が始まる直前で終わってるから、大勢の集まる撮影も当たり前にできた」

鈴木「これだけ大掛かりな撮影は、もうしばらくできないのかも、と思うと、めちゃくちゃ貴重なタイミングで、貴重な機会をもらったな、と思います」

原作は連載終了から4年を経た現在、ファンの根強いラブコールに答える形で、第2章となる「真・群青戦記」が連載再スタート。シリーズ化の可能性もなきにしもあらず。ちなみにその原作は、撮影前にリサーチしたのかを聞くと、新田は「読んでないんですよ」と語る。

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新田「原作とこの映画は別物、ということで、特に読むように指示されていなかったんです。だから、読まなかったんですが、結果的に読まないで正解だったかな?」

鈴木「そうそう。僕も読むと混乱するから読まないでくださいって言われたんですよ」

渡邊「僕はちょっとだけ読んだんだけど、本当に全然違った。原作だと部活の実績によってヒエラルキーがあったりして、学生たちが一丸となって立ち向かうに至るまでのいきさつが深く描かれているんだよね。そういう意味ではたしかに別物かな。今の僕たちと同じで、本作の登場キャラクターはみんな仲がいい感じですから」

鈴木「全員トップレベルのスキルを持っているのに、全員のスキルが違っていて、それをみんなが一丸となって高めあおうとするのがユニークでした」

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新田「弓道、剣道だけじゃなく、アメフトや柔道、フェンシングなど。体育会系の部活の戦い方は、時代劇としてはめちゃくちゃミスマッチだけど、そこがおもしろいんだよね。しかも現代人の頭脳を使うから、知識戦みたいなところもあって。特に特進クラスの科学部の活躍は最高でしたね。カジノでのカードゲームの頭脳戦を描いたハリウッド映画の『ラスベガスをぶっつぶせ』みたいな爽快感」

渡邊「じつは僕が演じた不破は行方不明になる前、帰宅部だったんだよね(笑)。なぜか弓道や剣道などの武道スキルが身についているんだけど、それは観てからのお楽しみってことで」

鈴木「(笑)。それぞれスキルにあわせた特訓受けましたよね。僕は剣道の型を覚えるために数カ月トレーニング通いましたし」

新田「僕も弓道の型を覚えないといけなかったし、もともと蒼と考太は剣道をやってたって設定なので、剣道も。びっくりしたのは木刀。劇中の木刀は、実際の木刀よりもちょっと太くて重い特注品。手の皮がむけるということが初めてだったから新鮮でした(笑)」

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鈴木「あの木刀、すごく重かったですよね。殺陣をやるための軽めの木刀もあったけど」

新田「ある重要なシーンで一番太くて重い木刀を振り下ろしてるんですが、きつかったですね。奇跡的にとてもいいシーンになってよかったけど、あれをもう一度やれと言われてもできないかも。渡邊さん、槍の練習は?」

渡邊「僕も数カ月前から特訓していたんだけど、家でも練習したいじゃないですか。それでアクション監督から“丸くて長い棒を使うといいよ”と聞いて、ホームセンターで買ってきた7尺くらいある棒を、近所の公園で振り回してた(笑)」

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鈴木「それ、警察呼ばれそうな(笑)」

渡邊「ギリギリOKでしたね。ただ、近隣の人たちが、窓からずっと見てるのは気づきました。だって、不気味だよね。周りに人がいないとはいっても、突然長い棒を振り回してるんだから(笑)」

おのおのが万全の準備をして取り組んだ本作。大掛かりなアクションの多い撮影だったが、誰一人としてケガをせず、スタッフとの連携もとれ、和気あいあいと進んだことがわかる3人の仲の良さが垣間見られた。それは3人が口を揃えて「誰一人として悪いことを言う人がいなかった。特に監督のおかげ」という。

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新田「今思い返しても、とにかく楽しかったんですよね。なんて良い現場なんだ、と思います。監督のおかげですよね。アクション以外の芝居パートでも、僕たちの考えることを尊重してくださったんです」

鈴木「本当、それ。自分たちで考えた動きに対して“じゃ、それでいこうか”という感じで。演じている僕たちが、それで気持ちがいいのならそれでいってほしいし、違和感があるならば何度でもやってみよう、という監督でした」

渡邊「こういうことってあまりないんですよね。決められた動きをきっちりやらないとOKが出ない、ということの方が多いなか、役者を信じてくれているのが伝わってきて、それなら僕らも一層がんばらないと、ってなりますから。任せられているという責任感が出ますね」

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新田「もちろんアクションシーンに関してはアクション監督がきちんと仕切って、決まったことをやらないといけない。でも、ちょっと間違えることもあるじゃないですか。そこもみんなでお互いにカバーしあって、OKになることもたくさんあったんです」

渡邊「終盤のシーンとかね。あれは長くて2~3日かけて撮ったけど、僕が投げ飛ばされるときに、足がもつれて転んじゃった。めちゃくちゃかっこ悪いんだけど、誰も文句を言う人はいませんでした。あぁ、みんなで助け合ってるな、って思いましたよ」

鈴木「そういう雰囲気もあったおかげで、この作品にもう一度戻りたいって思うんですよね。それもみんなが」

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新田「そうそう。あの撮影現場に戻りたい、って。いろんなキャラクターが容赦なく死んでいくっていう物語だし、ハードな撮影だったはずなのに、もう一度やりたい、ってすごいことだと思いますよ」

鈴木「誰がどう死んでいくか、ということは言えないけど、死に際の芝居がこの作品って独特なんですよね。つらくて死ぬ、っていう感じではなくて、誰かに後を託して死を覚悟するという、穏やかさがある」

新田「不幸を引きずっていくことがないんだよね。みんな次の誰かに託していく、という感じ」

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この撮影をきっかけに、関係が深まり、連絡をとるようになったというキャスト陣。撮影中から話題になっていたのは、鈴木が大好きな「サウナ」だったんだとか。

鈴木「撮影が終わって、みんな身支度してから夕食に行ってたんですが、そのときぼくはまずはサウナ。で、食後もサウナ(笑)」

新田「めちゃサウナ行ってたよね」

鈴木「サウナーですから(笑)。サウナの良さをみんなにも伝えたんだけど、山崎紘菜さん(遥役)や鈴木仁くん(黒川役)、飯島寛騎くん(成瀬役)は気に入ってくれたみたい。普及活動です(笑)」

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新田「僕は3回くらいしか行ったことないな……(笑)。暑すぎるときつくなっちゃって」

渡邊「けっこう好きだから、僕は普及活動を受ける前から行ってるんだけど、水風呂がつらすぎて入れないんだよね」

鈴木「水風呂で整うんですよ! ちなみにどこに行ってるんですか」

渡邊「×××とか」

鈴木「あ、いいですね。あそこは……」

新田「この話、長くなりそうなんで、別の機会に(笑)」

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