全5章、3時間38分で描くドイツ百年と家族史「ハイゼ家 百年」4月24日公開
2021年3月6日 10:00

第69回ベルリン国際映画祭フォーラム部門カリガリ賞(フォーラム部門・最高賞)に輝いたトーマス・ハイゼ監督の「ハイゼ家 百年」が、4月24日から公開される。このほど、場面写真と予告編が披露された。
カリガリ賞とは、映画芸術の進展性を追求した作品を選出するフォーラム部門の最高賞。日本作品では「ゆきゆきて、神軍」(原一男監督/1987年)と「愛のむきだし」(園子温監督/2009年)などが受賞している。
ベルリンの壁崩壊から30年目に発表された本作品は、旧東ドイツ出身のトーマス・ハイゼ監督が自身の家族3世代の遺品(日記、手紙、写真など)を用い、一家が歩んだ激動のドイツ百年を自らのモノローグで3時間38分かけて語る驚異的なドキュメンタリーだ。
家族の遺品が伝える歴史は第1次世界大戦から始まり、ホロコーストによって引き裂かれた家族の過去、熾烈を極めた空襲、戦後のシュタージ(秘密警察)による支配、そして、ベルリンの壁崩壊後も終わらない戦争と分断に失望する東ドイツの人々の感情について語る。引用に次ぐ引用で積み重ねられる言葉は戦争証言にとどまらず、分断や差別、言論の自由、ジェンダー論、そして個人のアイデンティティの問題など現代的なテーマにも及び、遺品の中にはウィーンに住む祖母のユダヤ人家族がポーランドに強制送還される直前までベルリンに住む祖父母たちと書いていた往復書簡や、戦後、東独の劇作家ハイナー・ミュラー(「ハムレットマシーン」など)と哲学者だったハイゼ監督の父がブレヒト論について対談するテープなど、幅広いジャンルのアーカイブが使用されている。
クリスティアン・ペッツォルトら、ベルリン派のフィクション作家たちが次々に世界で作品を発表できたのとは対照的に、壁の東側で体制に迎合することなく国家の歴史に向き合いながらドキュメンタリーを撮り続けてきたトーマス・ハイゼの作品が国際的に発表される機会は多くなかった。30年のキャリアで20作を完成させ、ドイツ映画界のドキュメンタリーの巨匠のキャリア集大成とも言える本作が、日本で初の劇場公開作となる。
「ハイゼ家 百年」は、4月24日からシアター・イメージフォーラムほか全国で公開。
(C)ma.ja.de filmproduktions / Thomas Heise
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