深田晃司監督の原点「東京人間喜劇」上映「やりたかったことをやり切った」
2020年11月6日 20:25

深田晃司監督の初本格長編作品「東京人間喜劇」が11月6日、第33回東京国際映画祭が開催中の東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、深田監督、出演の古舘寛治、荻野友里、山本雅幸がQ&Aに登壇した。
特集上映「Japan Now 気鋭の表現者 深田晃司」の1本で、文豪バルザックの作品群「人間喜劇」の方法論に着想を得たもの。劇団「青年団」の俳優が総出演。3つの物語からなり、それぞれの登場人物がその物語上で交錯する作りになっており、ローマ国際映画祭にも出品された。
深田監督は「映画祭に初めて呼んでもらった思い出深い作品。今、見ると反省もあるけれども、やりたかったことをやり切った。出演者、観客の皆さんと見られて、うれしかった。当時、バルザックを読みまくっていて、青年団のアンサンブルで作りたかった。世界の複雑さを映画で濃縮還元した野心的な作品だと思っている」と胸を張った。
深田作品の常連俳優で、劇中ではフレンチレストランのオーナー店長役の古舘は、終盤の自身の出番がカットされたことを改めて知り「切る時に言って欲しかったな」と笑い。3話目の主人公を演じた山本も「そのシーンでは僕は裏方に回って、人止めをしていたのを覚えている」と振り返った。

一方、深田監督は「山本さんは先輩なんですけど、頼みやすかったので、スタッフワークをお願いしてしまいました。あのシーンは最初はあったんですが、思い立って、切ってしまいました。ごめんなさい」と陳謝。2話目のヒロインを務めた荻野は「劇団の総出演で懐かしく見ましたが、私には喜劇には見れない。それにしても、深田さんは今日、謝ってばかりいますね」と笑っていた。
深田監督は「青年団の演出部だったので、演劇出身と言われるけれども、演劇は作ったことがない。助成金を使って、青年団の俳優たちと映画が作れると知って撮った。題材はバルザックの『人間喜劇』。『全然、笑えないんだけど』というクレームもきたのですが、フランス語の喜劇は日本語の人間ドラマのような意味で、必ずしもコメディーではない。中身は悲劇的なんだけどもミスリードを含めて面白いんじゃないかなと思った」と話していた。
第33回東京国際映画祭は11月9日まで、六本木ヒルズ、東京ミッドタウン日比谷ほかで開催される。
フォトギャラリー
関連ニュース




性別適合手術が違法とされた1960年代の事件から着想 飯塚花笑監督作「ブルーボーイ事件」25年秋公開、中川未悠、中村中、錦戸亮らが共演
2025年3月25日 11:00


映画.com注目特集をチェック

アマチュア
【殺しはアマチュア、しかし頭脳は最高】スパイ史上最も地味、だが最も予測不能な男が面白すぎた!
提供:ディズニー

HERE 時を越えて
【何だこのすごい映画は!?】まるで動かない「バック・トゥ・ザ・フューチャー」 ラストの多幸感よ…
提供:キノフィルムズ

異常者×異常者×異常者×異常者×…
【イカれた映画が爆誕】危険な色気の“異常者”たちが無許可のミッションに挑む…ぶっ刺さる一作!
提供:KADOKAWA

片思い世界
【超ネタバレ厳禁→からの涙腺崩壊】あ~…何も言えない! 話したいからとにかく早く観て!!
提供:リトルモア

ミッキー17
【観たら社畜の憂鬱が吹っ飛んだ】過酷なブラック仕事を描いた至高エンタメ…スカッとすぎるんじゃ!
提供:ワーナー・ブラザース映画

侍タイムスリッパー
【ついに見放題“最速”配信中!!!】観たかった人も、何度も観た人も今すぐ観よう!【奇跡のヒット作】
提供:JCOM株式会社

衝撃の問題作
【2025年で最も期待する“過激な一作”】ついに最終章――未見の人がうらやましい。
提供:ディズニー

映画館で観ないとぜっっったい後悔する
【ラスト5分の破壊力】そして“観たことないシーン”のゲリラ豪雨に、感動を超えてもはや放心状態――
提供:東和ピクチャーズ

映画を安く観るなら、絶対にチェック!
【映画2000円は高すぎる!!?】知らないと損な“超安く観る裏ワザ”、ここに置いときます
提供:KDDI