「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」のストリーミング配信、MGMが模索
2020年10月28日 11:00
「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」の製作を手がけたMGMが、ストリーミング大手であるAppleとNetflixに6億ドルでの売却を持ちかけていたことが明らかになった。米バラエティが報じている。
シリーズ通算25作目にして、ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンド役引退作となる「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」は当初、今年4月に世界公開を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、イギリスでは11月12日、アメリカでは11月20日に公開を延期。その後、状況が改善しないため、2021年4月に再延期されている。
関係者によると、同作の製作、北米配給を手がけるMGMは、延期の影響で3000万ドルから5000万ドルの損失を被っている模様。ソニー・ピクチャーズがトム・ハンクス主演映画「グレイハウンド」をApple、パラマウント・ピクチャーズが「星の王子 ニューヨークへ行く2」や「ウィズアウト・リモース(原題)」をAmazonに売却したように、MGMも同作の売却を模索したという。主導的役割を果たしたのは、MGM株の過半数を握るアンカレッジ・キャピタル・グループの会長兼CEOのケビン・ウルリッヒ氏で、AppleとNetflixに約6億ドルで打診。だが、高額すぎるとして実現には至らなかったという。
今回の報道に対し、MGMは「私たちは噂に対してコメントしません」と返答。「映画ファンによる劇場体験を提供するために2021年4月に公開を延期しています」と説明している。