R・エメリッヒ監督、「ミッドウェイ」を経て「今だったらなんでも映画化できる」
2020年9月13日 10:00

[映画.com ニュース]「インデペンデンス・デイ」シリーズのローランド・エメリッヒ監督が、20年に及ぶリサーチを経て歴史的海戦を描いた「ミッドウェイ」(公開中)。日本人キャストとの交流や、本作への思いをエメリッヒ監督が語った。
本作は、未曾有の戦いとなった第2次世界大戦の中でも、歴史を左右するターニングポイントとなった激戦として知られるミッドウェイ海戦を、日米両軍に敬意を捧げて再現。ウッディ・ハレルソン、パトリック・ウィルソン、デニス・クエイド、アーロン・エッカート、豊川悦司、浅野忠信、國村隼ら実力派が結集した。
脚本家に会うと「書かなきゃいけないと思っている題材は?」という質問をよくするというエメリッヒ監督。本作のウェス・トゥックにも同じ質問をしたそうで、そのとき返ってきた答えがミッドウェイ海戦だった。
「僕もちょうどそう思っていたんだ。歴史ものの映画は、今までだったらドラマを作って事実とのバランスをとることが多かったけれど、最近は史実を大事にすることの方が多い。『ミッドウェイ』もまさにそういう作品。もともとドラマとして完璧な要素が備わっているから、物語に対して忠実でなければいけなかった。僕は戦争映画を昔から敬愛していて、美化することなく忠実であればいい映画が作れると信じている」
山本五十六を演じた豊川悦司には、手紙で製作の経緯や本作の思いを伝えたそう。「毎回出演者に手紙を書いているというわけではなくて、今回は言葉が違ったからね。いかに彼と仕事ができたら光栄かということ、この作品を考慮してくれるだけでも嬉しいという気持ちを伝えたかったんだ。彼とは3、4週間しか仕事ができなかったけれど、友情が生まれたと思っている。お互いに響き合うものがあるみたいだった」と印象を明かす。
本作に登場する空母エンタープライズは、巨大なステージにほぼ原寸大のセットを設置し、機銃、ブリッジ、ワイヤー、戦闘機のほか、船首や操舵室、食堂までをも再現。地球上に一機も現存していなかったTBDデヴァステイターは、博物館から設計図を借りて、撮影のために作り上げた。
これまでもハリウッド大作を多く手掛けてきたエメリッヒ監督にとっても大きな挑戦となったようだが、自信にもつながる大事な作品になったようで、「勇気が必要な選択もあったけれど、いい作品ができたと自負している。勇気があれば不可能だと思っていることも映画化できると体験できたから、今だったらなんでも映画化できる気持ちだよ。こういう姿勢をこれからも大事にしていきたい」と意欲を見せていた。
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