亡き妻への思いをつづったエッセイ「感謝離」が映画化! 尾藤イサオ&中尾ミエがW主演
2020年9月8日 06:00

[映画.com ニュース] 朝日新聞「男のひといき」欄から話題になり、2020年3月に単行本化された「感謝離 ずっと一緒に」(双葉社刊)の実写映画化が決定。尾藤イサオ、中尾ミエがダブル主演、小沼雄一監督がメガホンをとり、11月6日から全国公開される。
19年5月、朝日新聞「男のひといき」欄にあるエッセイが投稿された。エッセイのタイトルは「感謝離(かんしゃり) ずっと夫婦」。同年3月に62年連れ添った愛妻を亡くした河崎啓一氏(当時89歳)が悲しみに打ちひしがれるなか、妻への思いをつづったエッセイは読者の心に深く染み渡り、大きな話題に。“感謝離”という言葉は「愛する人が遺していったものに感謝の思いを込めながら整理していくこと」を意味しており、河崎氏自身から自然に出てきた表現だ。
定年まで銀行員として勤め上げた笠井謙三と、いつも前向きに明るく夫を支えてきた妻の笠井和子。転勤続きで長い間仮住まい生活だったふたりは、ようやく手にした“夫婦だけのおうち”で、仲良く暮らしていた。そんなある日、和子が脳梗塞で倒れ、入院。リハビリを続けるも、そのまま老人ホームで暮らすことに。「いつかもういちど私たち夫婦だけのおうちに戻りたい」と願う和子に、来る日も来る日も優しく寄り添う謙三。数年後、その思いを叶えられぬまま、和子は他界してしまう。数カ月後、妻の居なくなった家で、謙三は身の回りの整理を始める。

夫・謙三を演じる尾藤は、本作が21年ぶりの映画主演作に。中尾とは、ミュージカル「ザ・デイサービス・ショウ It's Only Rock'n Roll 2019」以来のタッグとなり、映画では初共演となった。「ミエちゃんとは60年以上のおつきあいで、そのミエちゃんとこの歳になって夫婦の役を演じる事ができるなんて、今年の公開の時には喜寿を迎える僕にとっては、神様からのプレゼントのようです」としみじみと語る尾藤。「初めにこのお話を頂いた時、主役が僕って…マネージャーに聞き返しましたよ(笑)。本当に感謝しかないです」と語っている。
妻・和子役の中尾は「私たちもそろそろ終末期を迎え、身の回りの整理をしなければいけない時期になりました……と思いつつもなかなか整理ができないのが現状です」と胸中を吐露。「そんな時、“感謝離”という素晴らしい言葉に出逢いました。全てのものに感謝して“ご栄転”させてあげると思えば、気持ちよく送り出すことができます。初めて台本を読んだ時、涙が止まりませんでしたが最後にはなんだか清々しい気持ちになりました」と思いの丈を述べている。
小沼監督は、尾藤と中尾について「いうまでもなく歌手として長く活躍された方々です。言葉を表現する強い力を持っています。『感謝(ありがとう)』そして『離(さようなら)』、この二つのシンプルな言葉だけで夫婦の歴史と愛を豊かに表現してくれました」と絶賛。一方、原作者の河崎氏は「今年11月4日、僕と和子は64回目の結婚記念日を迎える。その2日後に、僕らの物語が、なんと映画になって公開されるなんて、嬉しいやら恥ずかしいやら……90年の人生でも最大級の驚愕である」「どうかこの作品が、僕のように大切な人を亡くして一歩も前に進めなくなっている方々の背中を、優しく押すものとなりますように」とコメントを寄せている。
「感謝離 ずっと一緒に」は、11月6日から全国のイオンシネマほかで公開。
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