篠山紀信、美しい姉妹のヌードを映した初の劇場公開作は「何とも言えない不思議さ、セクシャルな感じ」
2020年9月4日 19:00
[映画.com ニュース]写真家の篠山紀信氏が監督、撮影を担当した映像作品「イル・ノワール ILE NOIRE 黒い島」が、アップリンク吉祥寺で公開された。一般公開を前に行われた完成披露試写会に篠山監督と出演の姉妹モデルRina、Mariらが出席した。
荘厳かつ不穏な雰囲気を漂わせる孤島を舞台に、姉妹が感情の赴くがままに美しい肢体で官能と幻惑の美の世界を表現。数々の映像音楽を手がける音楽家・平本正宏氏とアートディレクター宮坂淳氏とともに、全編モノクロームで撮り上げた。
この日、完成作を初めて劇場で鑑賞した篠山監督は「“監督・撮影、篠山紀信”と書かれたのは初めて。普段写真を撮るときはモデルさんと密な関係になって、出来上がった写真のプリントを見て、それを愛でながら、そして本になる(という工程)。今回、彼女たちと僕の関係を、いろんな方々と一緒に見て、他の人はどう思っているんだろう、その感覚が初めてで面白いなと。映画館で上映されますが、ストーリーもセリフもありません。感覚だけで作っているので、何とも言えない不思議さ、セクシャルな感じ。作った僕も恥ずかしくなるような感覚になりました」と感想を述べる。
そして、「台本があるわけではないので、風景の中でこのふたりがいればいい。そう思って、自由に動いてくれるふたりの周りを僕が飛び回って撮った。映画を撮っているという感覚ではなくて、写真を作っているという感覚でした」と撮影を振り返った。
コロナウイルスの蔓延で、6月の公開予定が延期となったものの無事初日を迎えた。「僕は基本は印刷を通して写真を見てもらうから、(こういう形態の表現は)まれ。上映できるかどうかわからないという、まれな中にまれなことが起こって、一体どうなってしまうのかなと思いましたが、紙や展覧会で発表するのではなく、新しい表現として、映画館でこういうことをやっていけるのは素晴らしいと思った」と感慨深げに語った。
姉のRinaは、1年前の撮影を振り返り、「雨、風、大雨など、先生のパワーで引き寄せられたたくさんの天気に恵まれた。その環境、空気、感じたものを表現して、先生に引き出していただいた。絵、音楽、映像、写真が融合した素敵な作品になったのが驚き。見ていただいた皆さんにストーリーを作っていただいたりと、自由に見てほしい」と呼びかける。妹のMariは「姉は先生とのお仕事は2作目ですが私は今回が初めて。自分が篠山紀信に写真を撮られるなんて……想像もできませんでした。台風もありましたが、いざ現場に入ったら、その空気に飲まれて、必死に撮影に臨めた。完成作品を見られて感慨深い」と撮影を振り返った。
「イル・ノワール ILE NOIRE 黒い島」は、9月4日から1週間限定でアップリンク吉祥寺で公開。
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