やっぱり、愛がなくっちゃね ロイ・アンダーソン監督「ホモ・サピエンスの涙」予告完成
2020年9月3日 12:00
[映画.com ニュース] 第76回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞したロイ・アンダーソン監督作「ホモ・サピエンスの涙」のポスタービジュアルと予告編が、このほどお披露目された。
アンダーソン監督は「ミッドサマー」のアリ・アスター、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、「ブラック・スワン」のダーレン・アロノフスキーといった名だたる映画監督が敬愛するスウェーデンの巨匠。CGをほぼ使わず、野外撮影ではなく巨大なスタジオにセットを組み、模型や手描きのマットペイント(背景画)を多用するという、アナログにこだわった手法で傑作を生みだし続けてきた。
「ホモ・サピエンスの涙」で描かれるのは、時代も性別も年齢も異なる人々が織りなす悲喜劇。構図、色彩、美術と細部まで徹底的にこだわり、全33シーン全てをワンシーンワンカットで撮影。悲しみと喜びを繰り返す人類の姿を、愛と希望を込めた優しい視点で映し出す。
ビジュアルは、画家マルク・シャガールの絵画からインスピレーションを受けて生まれた“上空を漂うカップル”を印象的に配置。十字架を背負った男、傘をさす親子など、エピソードに期待が膨らむような登場人物たちの姿がちりばめられ、「やっぱり、愛がなくっちゃね。」というコピーも添えられている。
予告編がとらえているのは、スタジオ撮影とは思えないような、奥行きと広がりのある精巧な映像美。悲しみを抱えた不器用で愛おしい人々の姿とともに「人類は、悲劇に負けずに生きていける」といった言葉が添えられており、希望あふれる作品のメッセージが感じられる。。
「ホモ・サピエンスの涙」は、11月20日から東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。なお、9月12~26日に東京・国立映画アーカイブで開催される「第42回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」では、「ロイ・アンダーソン・コンプリート特集」が実施される。
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