「テネット」豪華出演者が語る“ノーラン・マジック” 最速インタビュー入手
2020年8月27日 18:00

[映画.com ニュース] 度重なる公開延期により、焦らしに焦らされていたクリストファー・ノーランの新作「TENET テネット」が、ついに公開を迎える。というわけでようやく、公開に先立って開催された最速オンラインインタビューの内容をご紹介できる運びとなった。ここでは主要キャスト陣と、ノーラン監督の公私にわたるパートナーにしてプロデューサー、エマ・トーマスの言葉を紡ぎながら、本作の見どころをご紹介したい。(取材、文/佐藤久理子)

ひとことで言えば、本作はノーラン映画の魅力をすべて詰め込みながら、これまでより数段バージョンアップしたような破格の作品だ。主人公は世界7カ国を飛び回るばかりか、時間の法則すらもすり抜ける。不可能を力技で可能にしたかのような、予測不能の展開、不意の襲撃が、まるでブルドーザーのように常時襲ってくるので、息をつく間もない。そんな壮大なスケールと興奮は、関係者それぞれの第一声からも如実に伝わってきた。まずはプロジェクトの鍵を握る、トーマスの解説を聞こう。
「この映画のアイデアは、クリス(・ノーラン)が長い間温めていたもので、彼が子どもの頃、大規模なアクション映画を見て感じたのと同じような興奮を、観客に体験してもらえる作品を生み出したい、という思いで作られたのです。スケールが大きく、様々な国に連れていってくれる、自分もこの主人公のようになりたいと思わせるような作品です。2時間半のあいだ、現実をまったく忘れて、異なる世界を体験してもらえるでしょう」
本作で、ともに初めてノーラン監督と組み、重要な相棒を演じた主役のジョン・デビッド・ワシントンとロバート・パティンソンはこう語る。

パティンソン「脚本を初めて読んだときに、あまりに破天荒だから、いったいこんなものをどうやって撮ることができるんだろうと思った。読みながら興奮して、アドレナリンが全開になったよ。ものすごく展開が早いけれど、じっくり考えると細部に深遠なテーマがある。独自のルールに沿った世界が展開し、ノーラン映画ならではのリアリティが築かれているところが素晴らしい」

ワシントン「脚本が展開していくにつれ、どんどんクレイジーになっていく印象だった(笑)。ノーラン監督は博識で哲学者だ。僕が彼と話して感銘を受けたのは、家族愛や仲間への忠誠心。この映画でも、そういったテーマが垣間みられる。それに彼自身、さまざまなことに疑問を抱き、物事をもっと知りたい、もっと学びたいという気持ちが常にある。それがテーマにも反映されていると思う」
では何がそれほど破天荒なのかといえば、「時間が逆行する」というアイデアだ。未来に予想される第三次世界大戦を阻止するために、諜報部員として選ばれた主人公“名もなき男”が、現在と未来を行き来する。

時間がテーマのひとつであり、異なる時間軸を旅するという面では「インセプション」とも似ているが、トーマスはこう補足する。
「これはもちろん『インセプション』の続編などではありませんが、似たような世界ということは言えるでしょうか。タイムトラベルがひとつの要素です。『インセプション』ではハイスト映画(強盗を扱った映画)を取り上げましたが、今回はスパイ映画のジャンルを扱いながら、ノーラン・マジックをちりばめた、まったく新しい2020年代のスパイ映画になっているのです」

ワシントンが演じるのは、米軍特殊部隊にいた“名もなき男”で、あるテロ事件をきっかけにして、重大なミッションを担う。それは“未来からやってきた”敵と戦い、第三次世界大戦を阻止するというもの。ミッションのキーワードは「テネット」で、「その言葉の使い方次第で、未来が決まる」と告げられる。この任務を遂行するなかで助っ人となるのが、パティンソン演じるエージェント。それはやがて彼らを、ミステリアスなロシアの財閥で、“現在と未来を繋ぐ”黒幕、アンドレイ・セイター(ケネス・ブラナー)とその妻キャット(エリザベス・デビッキ)へと導く。

果たしてセイターとはどんな人物か気になるところだが、ブラナーはこう語る。
「僕がこれまで演じたこともないようなダークなキャラクターだ。クリスは僕にとことん悪を突き詰めて欲しいと思っていたけれど、僕はなるべく多面的なキャラクターになるように務めた。彼にも取り柄はあるのか、あるとすればそれは何か、どんな形で表れるのか。それは美しいパズルのようなもので、大いなるチャレンジだった。彼は彼なりに悪人になる理由はある。でもそれは見てのお楽しみ(笑)。とにかく、人々をダークサイドに追い込むような強烈な人物であることは確かだ」

彼と妻キャットの関係も、この言葉を反映するかのような複雑な関係であるようだ。デビッキは、「役の詳細はコメントできない」と言いつつ、ノーラン監督が現場で生み出すマジックについて、こんなことを語った。
「わたしたちはみんなトレーニングを受けて準備万端だったけれど、クリスの現場では、想像以上のクリエイティビティを発揮できるの。俳優が完璧に信頼できる監督というだけでなく、とても存在感があって、すべてを細かく追求する。こちらが怠惰でいることができない、いい意味でのプレッシャーがある。自分が演じるシーンも、撮影を見学させてもらったシーンも、『こんなの見たことがない』というものばかりだった」

最後に、本作のヒーローに扮したワシントンの言葉で締めくくろう。
「ノーラン監督はVFXに頼らず、なるべくカメラの前にすべてを現出させようとするだけに、俳優はリアルな空間に足を踏み入れることができて、本当に演じやすいんだ。信じ難いことだけど、これだけの規模の撮影なのに、俳優は生き生きと自由を感じることができて、そこに遊び感覚がもたらされる。正直僕のような若輩者が、『君に合わせるから自由に演じて』と彼に言われたときは心底驚いたし、自信をもたらされたよ。それにこの映画では夢のような共演者に恵まれた。みんな人間的に素晴らしい人たちだったし、プロフェッショナルで見事なパフォーマンスを披露している。これは映画を見てもらえれば、わかってもらえると思うよ」
もはや一作ごとが事件と言える、現代を代表する「映画の守護神」の新作は、どうあっても映画館で見ないわけにはいかないだろう。「TENET テネット」は、9月18日から全国公開。
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