エバ・デュバーネイ、黒人と警察の関係を語る作品のための基金を設立
2020年6月17日 18:00

[映画.com ニュース] ジョージ・フロイドさん殺害事件に端を発した抗議デモが全米各地で続くなか、「グローリー 明日への行進」「13th 憲法修正第13条」などの社会派映画で知られるエバ・デュバーネイ監督が、アメリカの警察に蔓延する人種差別と蛮行にストーリーテリングを通じて抗議するための新たなイニシアチブを立ち上げた。
「LEAP(Law Enforcement Accountability Project=警察責任プロジェクト)」と名づけられた同イニシアチブは、「警察による黒人虐待をなくすために闘う、すべての活動家たちを支援する」ことが目的。デュバーネイ監督は、「私たちの使命は、警察の不当な攻撃と不正行為に目をつぶる“沈黙の掟”を、真実を語ることで突き崩すこと。警察と黒人の関係をめぐるストーリーを語り合うことで変化を促すべく、警察による暴力と殺人を題材にした映画や演劇、写真、絵画、音楽、文学、詩、彫刻、ダンス、その他あらゆる芸術分野の創作プロジェクトに資金を提供します」と公式声明に掲げている。
米ワシントンポスト紙によれば、LEAPは今後2年間で計25のプロジェクトに資金提供を行っていく予定。初年度の予算300万ドル(約3億2000万円)は、ヒットメーカーのライアン・マーフィーやフォード財団をはじめとする支援者からの寄付でまかなわれるという。
米人気司会者エレン・デジェネレスのトーク番組に出演したデュバーネイ監督は、「この数週間の出来事によって、私自身が抱えている怒りについて改めて考えさせられた。ジョージ・フロイドのあの動画を見るたびに、叔父のことを思い出してしまう。地面にねじ伏せられ、命乞いをする彼の姿に、愛する家族や友人の姿がオーバーラップして胸が苦しくなる」と悲痛な面持ちで胸中を吐露。「警察による黒人への差別や暴力、殺害のシナリオを、私たち黒人のレンズを通して徹底的に問いただし、変えていく必要があると感じたの」とLEAPの立ち上げに至った経緯を説明した。
さらに、「暴力や殺人といった許されない悪事を働いておきながら、別の所轄に移ってのうのうと仕事を続けている警官が山ほどいる。被害者だけでなく、加害者の顔と名前も広く知れ渡ってしかるべきだと思うし、それこそが警察の責任を明確化するための大事な一歩」と力強く訴えた。
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